第4話禁断の飲料

 今日は良い知らせがある……!!

 それは……

 俺の家にコーヒーカフェイン飲料があったことだ!!

 それが何を意味するか分かるだろうか。

 この世界にもカフェイン飲料があるということはつまりこの世界にはエナドリがある、もしくは作れる可能性があるということなのである。

 そして俺は今、コーヒー豆を持ち出し自室に居る。

 つまり、くすねてきたということだ。

「へへっ俺の体が求めている物カフェインが今、目の前にある。この幸福感…うへへ……。」

 やばい、俺今この世界の中で一番キモイかもしれない…。

 まぁ、そんなことより、俺は今からっ!コーヒーを淹れて飲むっ!!

 子供がカフェイン飲むのは良くない?背が伸びない?そんなものは関係ない、なんならどうでもいい。俺はとにかくコーヒーを飲みたいカフェインを摂取したいんだ!!

 俺はコーヒーを淹れる!!




 よしコーヒーは淹れた、あとは飲むだけだ。

 待ちに待ったコーヒー、誰にも邪魔されたくない。

「レナ~?居るかぁ~?」

「へっ!!?」

 誰だっ…?

 レインかっ………!?

 まずい早くかたずけないと……ばれる………!!?

 やばいやばい…。


 ガチャッ


「はぁはぁ………。」

 レインが扉を開けて入ってきた。

「ん?どうしたんだ?レナ?」

 レインがきょとんとした顔で話しかける。

 危ない、なんとか間に合った。

 俺はとりあえず机の中にそっと入れておいた。

 あと一秒遅かったら見つかっていただろう。

「な……なにがですか?」

「いや、何でもない。ていうかなんかこの部屋コーヒーの匂いがしないか?」

 まずいなにか言い訳をしなければ。

「き……気のせいでは?きっ……きっとさっきまでキッチンにいたので……そっ…その匂いでは…ないでしょうか……?」

(流石に無理があるか……)

「そうか…まぁいいか。」

(いいのかよ。)

(まぁなんとかなったからいいや。)

「レナ、ちょっといいか?」

「はい、なんでしょうか?」

 なんだろうか、何かしたかな…これコーヒー以外心当たりないんだけど。

 いやあれか………?

 庭に干してあったレインの服一回落としちゃったことくらいしか心当たりないんだけど。それか………?

 俺、今心臓バックンバックンなんだけど。

「俺の剣知らないか?」

 は?

「はぁ、」

「それが今朝起きてから見当たらないんだよ。」

(なんだよ、そんなことかよ。ひやひやさせんなよ。)

「知りませんよ。なぜ僕に?」

「いや、見てないか確認したかったのと、剣は男のロマンだからな。レナが持っていってないか確認したかっただけだ。知らないのならすまなかったな。」

(俺が持っていくかよ…………。ていうか男のロマンってなんだよ……。)

「いえ、早く見つかると良いですね。」

 用事を済ませるとレインは足早に部屋から出て行った。


 ガチャン


 レインが出ていくと俺は隠していたコーヒーを出す。

「ふぅ危なかった、これでやっとゆっくりコーヒーを味わえる。」

 レインのせいで冷めてしまったが俺にとって念願のコーヒーカフェイン飲料

 ついに来たんだこの時が、いくぞ。(倒置法ここ重要。)

「すぅぅぅ…ふぅぅぅぅ……。」

 深呼吸をしコーヒーを口に運ぶ。

「ゴクッ……ブフォッ…………!??」

 なんだこれ……味がっ……日本のコーヒーの比じゃないくらい……。

 苦いっ……!!?

 いや苦すぎて味覚がバグっている。

「ゲホッゲフォッ……!」


 ガタッ


 ガチャッ


 俺は苦みに耐えられず部屋を飛び出しキッチンに向かった。




 幸いにも誰ともすれ違わずキッチンにたどり着くことができた。

「砂糖砂糖………。」

 口の中が苦みでいっぱいだ……………。

「砂糖、あった………!!」

 砂糖を見つけてこれほど嬉しかったことなどないだろう。

 コップに水を入れ砂糖を少量混ぜ砂糖水を作り勢いよく飲む。


 ゴクッゴクッゴクッ…………


「っぷはぁ………」

 砂糖の甘味が口に広がり苦みを中和して口の中がすっきりした。

(危ない口がどうにかなるところだった………。)

 次からはコーヒー呑むときは砂糖を入れて呑もう。

 この世界でコーヒーをブラックで呑めば〇ぬ………!!←(?)

 今日もこの世界で俺は新たなことを学んだ………。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る