本格始動と新年 Ⅴ´
宇宙海賊
そして最後に出てきた自分と相手側の1機を合わせれば16対31。
『キャプテン申し訳ねぇ!何機かしくじりやした!』
仲間が抑えきれず宇宙連合の
その戦力差に
「我々も戦力を割いていてね。護衛の数が少なくて助かるよ」
敵の内2機が合計8門の
ドレークがダブルアサルトと呼ぶ蒼い
敵の正確な射撃を最小限の動きで躱し、一瞬で3機との間合いを詰める。
自身の射程圏に入ったドレークは両手左右に装備した2丁の小型小銃で正確に敵の
散開する前に叩かせてもらおうか……
右手の小型小銃を撃ちつつ、素早く左手の小型小銃を収納し
敵が機体のオート機能によって適切な距離で
「毎度、単調なオート操作だな」
ドレークは敵の振り上げた腕の手元へ小型小銃の弾丸を撃ち込む。
敵の機体は手首から先が欠損し、武器の無い右腕をただ振り下ろす。
振り上げた勢いで保持されていない
無防備な敵機の左肩を勢いよく蹴り、敵の背を自分の方へ無理やり向けると人質を取るような形で
「ゴーグ、こいつらの通信をジャックしろ」
『了解しやした!――――DDと戦艦への接続完了!お待たせしやした!』
「貴様ら、動くなよ?」人質を助けようと動く2機のDDに忠告する。
『なんだこの通信??まさか宙賊か?』
『うっ……』
ドレークは「積み荷を全て渡せばこいつを解放し戦闘を止めよう。どうだ?」と交渉しつつ周囲の索敵を目視で行うと、彼の右目が遥か遠くのスラスターの光を一瞬だけ捉えた。
「さぁ、どうする――?」
『――構うな!輸送艦を死守せよ』
「その声、マッカートニーか?仲間を簡単に切り捨てるとは……エースパイロットも堕ちたものだな」
『黙れ、低俗な宙賊風情が!』
「そうかい……」
人質を取られ動けず立ち止まっている2機の内、左側の機体の方向へ人質を捕らえたままドレークは押し進む。すると人質のパイロットが『な、何をする!?』と怯えた口調で声を上げた。
「放して|
そう言いながら敵の目の前まで人質を連れて行くと「ほらよ」と冷めた声で
『くそっ!ふざけ――!!』
人質だった機体が振り向こうとした瞬間に
コックピットのみを貫いたことで爆発はせず、動かなくなった2機は寄り添ったまま宇宙空間を漂う。
その奥から薔薇の家紋が装飾された盾を装備した真新しい
ドレークはその家紋を睨みつけ「交渉、決裂だろ?」と、その機体を操縦しているであろうディラン・マッカートニーへ問い掛けた。
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