再会と新世代 Ⅳ´
「まぁ、こんなもんだわな」
アストはパイロットと別の個室でソフィアの模擬戦をディスプレイ越しに見届けていた。
技量に差があるとはいえ、相手の訓練生は終始慌てた行動が多かった。
特に開幕早々のミサイル発射。相手を動揺させたかったのだろうが――これはかなりの減点だろう。
出撃前に発令されていたヴィジランスブルーは警戒度が最も低い状態、つまり敵がほぼいない状態での待機、若しくは一応様子見として出撃するかも。という警報だ。
模擬戦だから必ず相手が居るのは確定しているし、今回に限って出撃タイミングがほぼ同時だったから多少意味もあったかもしれないが……
敵がいるかどうかも分からない状態で突然ミサイルを撒いているようじゃ話にならない。敵の位置を知る前に、逆に位置を知られては元も子もない。
向こうにとっては、かなり勉強になった1戦だったと思う。
しかし……ソフィアは多少手を抜いているような場面はあったが、後半のあの突撃は容赦なさすぎやしないか? 後で一言 言っておこう……
『ヴィジランスイエロー発令。ヴィジランスイエロー。パイロットは、搭乗機にて待機。繰り返す――』
「お?もう次か」
こちらはアーシアだが、訓練生側は順当に来るならあの銀髪の――え?
艦長用の個室ではディスプレイに相手側の出撃するパイロットの名前が小さく表示されていた。
エリオット・フェリックス・マッカートニー
彼が2番手なのか……
アストは腕を組み「うーん……」と視線を落とす。
つまり、士官学校側はマッカートニー以上に、あの銀髪少女の"何かしら"を俺たち相手に試したいってことになるが――まぁ、実際に見るまでは考えようがないな。
ディスプレイに視線を戻すと、既にマッカートニーの機体が出撃していた。
エースパイロットらしくA装備の盾持ちか……盾を除けばミラーマッチだな。
その1分後、アーシアも出撃した。
模擬戦場は1戦目と景色は変わらないものの、無重力に設定されているため、射出された速度を維持し、お互い索敵をしているようだ。
2人が装備している
腰部に接続される
さらにサブウェポンの小型小銃とそれに対応したマガジン、そしてそれらを覆う様に接続されたテイルスラスターが搭載されている。
マッカートニーのように好みで手持ちのシールドを持つ者もいるが、ここ数年アーシアの盾無し
無重力で足場のない近接戦闘は遠距離戦以上に技量の差が浮き彫りになるが――
さて、どうでる?
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