第4話 穏やかな日常

 エルヴィナの朝は、いつもと変わらぬ穏やかな光で始まる。


 リナとミナは、その平和な日々を心から楽しんでいた。


 彼女たちの冒険が終わり、再び訪れた日常は、以前とは違った温もりを持っていた。



 リナは、家の小さな庭でハーブを丁寧に手入れしていた。


 彼女の動きは慎重で、植物への愛情が感じられた。


「ミナ、このラベンダー、綺麗に咲いたわよ。」


 そうリナが優しい声で呼びかけると、ミナが家の中から顔を出した。




「本当だ、リナ。それに、いい香り。」


 ミナも庭に出てきて、ラベンダーの花を一緒に眺めた。


 彼女たちの間には、共有した冒険の記憶と、戦いを乗り越えた強い絆があった。




 昼過ぎ、二人は村の中心部にある小さなカフェでお茶をすることにした。


 カフェは、戦争が終わり再建されたばかりで、新しい始まりの象徴のようだった。


「リナ、ここのアップルパイ、絶品よ。」


 ミナが笑顔で一口食べ、リナに勧めた。




 リナもパイを食べながら、満足そうに頷いた。


「ミナがおすすめすると分かっていたから、間違いないわね。」




 二人がカフェでくつろいでいると、村の子供たちが近づいてきた。


「リナさん、ミナさん、僕たちにもう一度、冒険の話をしてください!」


 子供たちの目は期待に輝いていた。




 リナとミナは互いを見つめ、微笑み合った。


 そして、子供たちを集めて、以前の冒険について語り始めた。


 彼女たちの言葉は、勇気と希望を子供たちの心に植え付けた。




「そして、私たちは学んだの。一人ひとりが平和のためにできることがあるって。」


 リナが話を終えると、ミナが続けた。


「そう、そして何よりも、私たちが互いに支え合うことが、どんなに大切かをね。」




 夕方になり、二人は手をつなぎながら家に戻った。


 道すがら、リナがふと言った。


「ミナ、私たちの日常がずっと続くといいわね。」




「うん、でも何が起こっても、リナがいれば怖くないよ。」


 ミナの返事に、リナは心からの安堵を感じた。




 エルヴィナの平和な日常は、リナとミナにとって、冒険から得た教訓を生かし、新たな夢を見つめる貴重な時間だった。


 そして、彼女たちは知っていた。どんな未来が待っていても、二人が共にいれば、乗り越えられないことはないと。






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