第13話 平和協定

 戦争が終わり、エルヴィナと隣国との間に和平が訪れた。


 リナとミナは、ダリオスと和平協定の最終的な詳細を詰めるために隣国の城へと向かった。


 城の大広間で、エルヴィナ王、ジェラルド将軍、そしてダリオスが彼女たちを待っていた。


 リナは緊張した面持ちでミナの手を握りながら、大広間に入った。


「大丈夫、リナ。私たちがここにいるのは、戦いを終わらせ、平和を築くためだから。」


 ミナは妹に微笑みかけ、励ました。




 ダリオスは立ち上がり、二人に近づいてきた。


「リナ、ミナ、お前たちの勇気と力に敬意を表する。お前たちがいなければ、この和平はあり得なかった。」


 彼の声にはわずかな後悔と、新たな決意が感じられた。




 エルヴィナ王が前に進み出て、ダリオスに握手を求めた。


「ダリオス、私たちの国々がこれからは互いに支え合い、共に繁栄していけることを願っている。」



「私も同じ願いだ、エルヴィナ王。過去の過ちを乗り越え、新しい未来を築こう。」


 ダリオスの返答に、大広間には希望に満ちた空気が流れた。




 ジェラルド将軍が二人の隣に立ち、


「戦争は多くを奪ったが、今日ここで私たちは新たな章を開く。リナ、ミナ、お前たちの力がエルヴィナに平和をもたらした。」

 とお礼を言った。


 彼の言葉には深い感謝が込められていた。




 リナは涙ぐみながら言った。


「私たち一人一人が平和のためにできることがある。この和平が、私たち全員にとって新しい始まりとなりますように。」




 ミナも続けて、


「そして、私たちはこれからも、どんな困難があっても、絆を信じて前に進んでいく。エルヴィナと隣国が、永遠に友好の絆で結ばれますように。」と。




 ダリオスはリナとミナの前に進み出て、二人と握手を交わした。


「ありがとう、リナとミナ。お前たちの言葉を胸に、私も新たな道を歩む決意だ。」



 こうして和平協定の署名式が行われ、エルヴィナ王、ダリオス、ジェラルド将軍、そしてリナとミナがそれぞれ協定書に署名した。



 そして、署名が終わると大広間には拍手が鳴り響き、国々の新しい未来への希望が高まった。


 リナとミナは、和平の訪れを祝いながら、エルヴィナと隣国の未来が互いに支え合いながら繁栄していくことを心から願った。


 彼女たちの旅は多くの試練を乗り越えてきたが、今、彼女たちは国民の平和と希望の象徴となっていた。


 この和平への道は、リナとミナの絆と勇気、そして互いへの理解と寛容によって築かれた。


 エルヴィナと隣国の人々は、これからもこの和平を大切に守り、共に歩んでいくことを誓ったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る