カンペキな君は僕の幼馴染

青空冬

第1話 プロローグ 僕のカンペキな幼馴染

僕の幼馴染は「お嬢様」や「お嬢」と呼ばれている。

実際、僕自身も「お嬢」と呼んでいる。

理由?そんなの簡単だよ。

僕の幼馴染は、なんだって「カンペキ」にこなしてしまうすごい人だから。

勉強、運動、礼儀…別学校の校長先生に学校を紹介するときだって、いつだって「カンペキ」。

家柄だって、日本四大企業の一つ、菅宮商業グループの長女というかなり特殊な立場。

それが、僕の幼馴染であり、この学園 私立天川高校の生徒会長「菅宮 風香」


僕はお嬢の幼馴染、湯影 賢太。

自分で言うのもどうかと思うけれど、どちらかというと賢い方。

運動は少なくともトップ10に入るレベル程度ならこなせる。

容姿は、まあいい方だと思う。

まあ、その程度ではあるけれど、なんの偶然か、生徒会副会長になることができた。


他にも生徒会のメンバーがいるけれど、みんな平凡とはかけ離れたような

すごい人たちばっかり。


例えば、生徒会書記「上川 伊予」

この子はお嬢に継いで二番目に頭が良い。

家柄は、代々お嬢の家の使用人として仕えている家で、お嬢の事は「お嬢様」って呼ぶ。

生徒会庶務の「花坂 藍」の幼馴染で、この藍っていう子も、菅宮グループの使用人一家。だから、この子もお嬢の事を「お嬢様」って呼ぶ。


いろんな人から慕われて、崇められているお嬢は

いつだってみんなに笑顔で対応して、僕からしたらアイドルみたいに見えてしまう。

そんなアイドルは、僕にだけ弱みを見せてくれる。

それだけ僕を信用してくれているって事なのかもしれない。

そんなお嬢が、僕は―――。

(なんて)

そんな感情、僕がお嬢に持ってしまったら

僕はお嬢と、今の関係でいることすら叶わなくなってしまう。

だから僕は、「僕」として話さずに、「俺」として

今日もお嬢と、学校に行く。

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