第2話 耳を澄ませる
雪の花が舞い散ったそのあと
時が止まり
静寂だけが辺りを包みこむ
屋根の上の雪も
木々を飾る雪も
道を隠す雪も
ただそこに在るだけ
風のなき声も
雪を踏みしめる気配も
何も感じない
何も聞こえない
ただそこに在る無音
高い木の枝から雪が静かに落ち
時計の針が音もなく動き出す
ぽつり
溶けた雪が音を取り戻した
そして、
自然の柔らかな音色と
人間が作り出した硬い音色が
混ざりあいながら奏で広がっていく
未来へ続く協奏曲に
私は耳を澄ませた
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