第2話

 そのうち圭子に子供ができた、勉強はますます遠ざかっていった。

 誠治は一向に無関心でのらりくらりの生活を続けていた。

 母親や周りの人たちは期待していただけに圭子のそんな生活にやきもきしていた。圭子は周りの人たちが思うほどあせりもなく今の生活に満足しているようだった。子供ができてアルバイトがおもようにできなくなり生活に困窮してきた。

 誠治は「実家から送金してもらえ」の一点張りだった。

 世間知らずの圭子はそういうものなのかなと思い母親に送金をねだった。母親は娘の夫を不審に思いながらも娘の生活を思うと送金せざるを得なかった。母親は僕に黙りながらも送金を続けたが自分の老人ホームの費用や家の出費を考えると年金の中から送金することがだんだん苦しくなってきた。

  時々、送金が途絶えるようになった。

 圭子は何を思ったのか、(そうだ実家に行けばいいんだ)とおもうようになってきた。(私には実家に住む権利があるんだ)と胸を張った。

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