九人の元彼女が同時に再接触してきたけど…これって偶然ですか!?←そんなわけなかろう…。運命でも偶然でもないストーカー化元ヒロインズ。だがしかし正ヒロインは他に四人いる。ヒロイン多すぎラブコメ

ALC

第1話ヒロインズ多すぎ…

自慢でも何でも無いことなのだが僕には九人の元恋人が存在する。

数が多いとも思わないが人によっては多いと感じるかもしれない。

中学一年生から大学四年生までの十年間で九人なのだから多くも少なくもない平均的数字と言えるだろう。

学生の頃だったら一年間で色恋話の一つぐらいは浮上してもおかしくない。

僕はそうだったってだけの話でこれを見ている人の中にも覚えがあるのではないだろうか。

何故そんな話をいきなりしだしたかと言えば…。

現在寝起きでスマホを確認して目を疑っているからだ。

元恋人である彼女ら全員からチャットアプリを通じて連絡が届いている。

その状況に目を疑っている。

全員が示し合わせたかのようなタイミングで連絡を寄越している。

これは偶然や運命の悪戯だろうか?

いいや、そんなわけなかろう。

これは意図的に仕組まれたなにかなのだ。

それを理解した僕は返事をすることもなく身支度を整えるのであった。



話は戻るのだが、もしも今現在の僕に仲の良い女性の一人も居なかったならば返事をしていたと思われる。

しかしながら僕には現在いい具合に距離を縮めている女性が四人存在していた。

一人は同期の女性、一人は上司の女性、一人は後輩の女性、一人は外部の女性。

この四人と仲良しの関係性を築いていた。

まだこれと言って特別な関係性にはなっていなかったが…。

それも全て時間の問題だと思われた。

四人の内の誰かと交際秒読みだった現在。

何の因果か分からないが元恋人九人から連絡が届いていた。

スーツに着替えると自宅を出て駅まで向かう。

いつものように早朝の電車に乗り込んで会社へと向かうのであった。



猛者もさ。何か今日元気ないじゃん。どうしたん?」

仲の良い同期の女性から声を掛けられてそちらに目を向けた。

「ん?あぁ〜。ちょっと悩み事」

「ふぅ〜ん。どんな?」

「恋愛関係?」

「何で疑問形?」

「いや、終わった人との事で悩んでいると言うか」

「なになに?詳しくお願い」

三郷みさとききは僕を急かすようにして話の核心を知りたがっていた。

今朝起きたことを話して聞かせると三郷はウンウンと頷く。

「返事しなくていいんじゃない?私も元カレから連絡来ることとかあるけど。殆ど無視だよ」

「そうだよね…それでいいと思う?」

「まぁ全員から連絡来ているのは怪しいけど…。ってかどうやって連絡先知ったのかも謎だし」

「な。僕もそれが分からなくて。それが分かるまでは無視に徹しようかなって」

「それが良いよ。ってか今度の休日空いてる?」

「今のところは」

「じゃあ何処か出かけよう」

「了解」

そうして僕と三郷は休日の予定を組むと再び仕事を再開するのであった。



昼休憩に向かうためにデータを保存すると席を立つ。

「先輩〜っ♡一緒してもいいですかっ♡?」

仲良しの後輩女性である深田まなが僕の元までやってくると無邪気な笑顔を浮かべる。

「あぁ。外で食べるけど?良い?」

「もちろんですっ♡」

そうして僕らは外で昼食を取ることを決める。

三郷に話したように本日の不可解な出来事を口にすると深田は首を傾げていた。

「なんだか偶然だとは思えませんけど…先輩がモテるのは理解できますっ♡」

「そう?僕は分からないけど…何かしらの企みでもあるんだろうか…」

「かもですね。連絡は無視するのが一番ですよ」

「だよね〜」

そんな他愛のない会話を繰り返しながら昼食を済ませて会社に戻るのであった。



「猛者。ちょっと打ち合わせいいか?」

昼食から戻ると仲が良い女性の上司に声を掛けられて僕は彼女の後をついて行く。

会議室に入ると彼女は僕に申し訳無さそうに口を開いた。

「突然で申し訳ないんだが…今日来てくれるか?」

「あぁ〜…もしかしてさいちゃん関係ですか?」

「そうなんだよ。ここ最近ずっと言われてたんだ。猛者に会いたいって。でも猛者にも人生があるからな。彩にばかり時間は割けないって話したんだが…理解してもらえなかった」

「大丈夫ですよ。今日は予定もないので」

「そうか。助かる。じゃあ上がったらうちに来てくれ」

「了解です」

仲良しの女性上司坂下命さかしためいと、その妹である仲良しの外部の人間坂下彩さかしたさいと終業後に会う約束は唐突に決まるのであった。



仕事が終わるとその足で坂下姉妹の住むマンションへと向かう。

命は先に帰宅していたようで手料理を作って待っていた。

僕がマンションのインターホンを押すと彩がウキウキとした気分で玄関を開け放った。

「猛者!会いたかったっ♡」

彩は顔出しで配信業を行っている人気者だった。

そんな彼女と知り合えたのも全て姉の命の御蔭であるだろう。

「僕も会いたかったよ」

そんな言葉を口にしてリビングへと向かった。

三人揃った所で夕食をいただきながら今朝の出来事を話して聞かせる。

「ふぅ〜ん。返事ぐらいだったらしてみたら?」

やはりと言うべきか年上の女性である命は余裕のある言葉を口にした。

「私もそう思うな」

彩はそれに追随するような言葉を口にして頷いていた。

「まぁ帰ったら考えるよ」

そんな言葉を残して夕食を共にして数時間話などをして過ごすと帰宅するのであった。



本日の不可解な出来事に少しだけ頭を悩ませながら。

返事をする気力もなくベッドに潜り眠りに着くのであった。


ここから負けヒロイン九人と正ヒロイン四人で送るヒロイン多すぎラブコメが始まろうとしていた。

正ヒロインの中に僕の情報をリークした人物がいることをまだ知りもしないのであった。

その理由とは如何に…?

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