全ては私の計画通り進む為に♡

アキノリ@pokkey11.1

第一章 私の手中に

うん?

第1話

☆遠島悠斗(とおしまゆうと)サイド☆


彼女が...というか。

遠島悠斗(とおしまゆうと)。

俺の幼馴染が寝取られてしまった。


それも見知らぬ男に。

何という事か。

帰り道にラブホに入る2人を見てから魂が抜けた様な感じがした。


それで俺は自宅の自室で泣いている。

悲しかった。

そして悔しかった。

俺は何の為に付き合っていたのか。

それが分からなくなっていた。


「クソ。...忌々しい」


そんな事を呟きながら俺は起き上がる。

かれこれ2時間は泣いていた気がするのだが。

そう思いながら俺は起き上がってから自室から出ると義妹の遠島咲(とおしまさく)が心配そうに俺を見ているのに気が付いた。


「大丈夫。お兄ちゃん」

「...正直、精神面が安定しないな。だけどまあ吹っ切れたよ」

「...そっか」


顔立ちは当然俺と似てない。

かなり美少女だと思う義妹だ。

栗毛色の長い髪が特徴的な花の髪留めを一本着けている。

そしてボンキュッボンなのだが。

まあそれは置いておこう。


「...俺は何の為に今までやって来たんだろうな」

「落ち着いて。お兄ちゃん。...きっと大丈夫だから」

「...そうだと良いけどな」


そんな会話をしながら俺は下に降りる。

それから「何か飲むか」と呟きながらコーヒーでも飲もうと冷蔵庫を開ける。

そして冷たいコーヒーを牛乳で割って飲んだ。

ふむやっぱり吹っ切れたな。


「...まあ散々泣いたし」


その様に呟きながら俺は冷蔵庫の中に牛乳とコーヒーを仕舞う。

それから二階に上がろうとした時。

インターフォンが鳴った。

俺は「?」を浮かべて「新聞屋か?」と呟きつつドアを開ける。

そして愕然とした。


「こんにちは」

「...!?...ど、どちら様?」


絶世の美女が居た。

俺は黒髪にモデルの様な顔立ちに。

ニコニコしているその美少女を見る。

まるで非の打ちどころがない美少女だった。

何だコイツは!?

あ。咲の友人か...。


「さ、咲の友人ですかね?」

「え?いやいや。違うよ。悠斗。私。西宮安奈(にしみやあんな)だよ」

「...えぇ!!!!?安奈!?10年ぶりだなお前!?」

「外国から帰って来たから。だから貴方にただ会いたくて」

「そうか...ってかお前!美少女になり過ぎだ!」


西宮安奈。

俺の幼馴染だけどある日、生き別れた。

安奈はいきなり小学校1年生の時に外国に赴任の関係で引っ越したのだ。


だからこそこうやって会うのは10年ぶり?ぐらいだ。

当時は当然...胸も無かったし。

それに可愛いっちゃ可愛かったけど。

こんな成長するのか人間って...。


「10年間私は彼氏作らなかったよ」

「...逆に何で!?お前モテモテだろ容姿的に!?」

「もー。察しが悪いなぁ。全部悠斗の為だよ?約束したじゃない」

「...や、約束?」

「えぇ。それも忘れちゃったの?10年前に私と別れる時に『また会ったら結婚しよう』って約束したよね?」

「あれは10年前の約束だ!?お前まさか10年間も律儀に守っていたのか!?」


10年も経ったら人間忘れるものだろ!?と思いながら安奈を見る。

すると安奈は「うん。でも私は忘れなかったよ」とニコッとする。

俺は驚愕しながら赤面する。

そうして安奈を見ていると安奈の眼が変貌した気がした。


「だから私は...10年間...緻密に計画を練っていました」

「緻密に計画って何を?」

「...悠斗と結婚するのもセックスして子供を作るのも♡」

「...はい?」


俺は唖然としながら安奈を見る。

安奈は笑顔になりながら「こっちの話」と笑顔になって誤魔化す。

いや誤魔化せないぞ。

今何つった。


「その。セックスして子供を...ってお前...な?!」

「うん。今じゃ無いけどそれは大切だよね。私は...悠斗と幸せになるのを夢見ていたからね」

「...そ、そうか。お前何だか変わったな」

「変わったかな?えへへ」


可愛らしく笑む安奈。

そんな感じでは無かったと思うぞ。

少なくとも、だ。

昔は本当になよっとしていたから。

だから驚きだった。


「...まあでもお前が日本に帰って来てくれて嬉しいよ。安奈。とってもな。...お茶でも飲むか?」

「そうだね。そうしようかな。久々に」

「ああ。んじゃ用意するから中に入ってから待っていてくれ」

「うん。有難う」


そして家の中に招き入れようとした時。

安奈は笑みを浮かべる。

それから「全部計画通りだね」と呟いた気がしたが気のせいか?

俺は思いながら「?」を浮かべて「安奈。何か言ったか?」と聞いてみる。

安奈は「何でもないよ」と笑顔になる。


やっぱり気のせいか。

そう思いながら俺は苦笑した。

それから「すまん」と返事をしてから家に招き入れた。

そしてソファに座る様に促してから俺はコーヒーを入れた。

とは言っても冷たいのしか淹れれないが。

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