第26話 白いリントブルム


 羽田からの直行便でフランクフルトまで行きそこからタクシーでダンジョンまで乗って行く。今回はもうホテルはいいや。

 タクシーで走っているとやはり木が邪魔をしている場所などがあると運転手が言う。

 モンスターもそれなりに出ていて被害も大きいそうだ。

 ダンジョンのある街はフランクフルトから約40分ほどの場所にあるギーセンという場所だ。だが、邪魔な木や封鎖されている場所があって結局2時間ほどかかった。

「ありがとう」

「いーや。本当ならもっと近いんだがな!」

 と言って運転手と別れてダンジョンに入る。

 まぁまぁ並んでいるがなかなか先に進まないな。

 ようやく俺の番になった、そうか、これが原因かよ。

 したまで続く大きな穴だ。

 下は見えているが流石に飛び降りる猛者はいなかったようだな。

「とうっ!」

 まぁ、俺は行くけどね。


“ドンッ”

「くぅぅ、まぁまぁだな」

 痺れが残るくらいで済んでよかった。

 と俺に群がるゴブリンたちを斬り倒して行くと、上から歓声が湧き起こる!

「すげーぞお前!」

「フゥー!やるね!」

「ヒーローだ!」

 まぁ降りて行くのがめんどくさかっただけだけどね。

 

 1階層を抜けて降りて行くとあぁ、5階層分あったみたいだ、セーフティーゾーンがある。

 その後は10階層まで行き、エクスキューショナーというネームドモンスターのホブゴブリンキングを倒して十五階層のセーフティーゾーンで休憩する。

 また威圧を感じるが知ったこっちゃない。

次の20階層までゆっくりとモンスターを倒して行くと、今度はアーバンというネームドのオークキング、金の棍棒でバッターのように降ってくるが、避けるのは簡単で斬り倒してドロップの肉と金の棍棒、魔石を収納に入れる。

 宝箱は割愛する。中身はお馴染みのマジックバッグなんかだからだ。作れるようになったのでありがたみが減ったな。


 25階層で休憩してるとまた威圧をかましてくるドラゴン!ムカつくが無視だ!待っとけっつーの!


 30階層ではクラブマンと言うネームドのマーマンキングだ。水辺から上がってこないで遠距離ばっかりしてくるから「アブソリュートゼロ」で水面を凍らせたら出て来た。

 槍と水魔法で攻撃してくるが瞬歩と時魔法のアクセルを使うと止まって見えるな!

 ドロップは槍と水の魔導書と魔石。

 魔導書は魔法を覚えるそうだ!SPがいらないのはいいな!


 35は通り過ぎて40階層、流星という名のネームド、スケルトンキングだ。

 流星の名に恥じない素早い攻撃を繰り出してくる。こちらも本気で瞬歩を使いながら剣を合わせるとカタカタと笑っているようだ。

 だが、最後は俺の剣技に負けて消滅して行った。流星と言う刀とスキルボールの侍、魔石が手に入った。スキルボールも魔導書と一緒でSP要らずだが、侍と言う職業になるらしくレアなのだろう。


 45階層のセーフティーゾーンで寝ると、威圧と共に声が聞こえた気がするが、そこは気にせずに寝る。


 ようやくゆっくり来て50階層にたどり着く、扉を開けると、白いリントブルムと言うドラゴンが血管を浮き出させて吠える。

「っせーぞ!こっちはお前らの身勝手に付き合ってやってんだから少しくらい待てよ!」

『我を待たせるとはいい度胸だな!これでも喰らえ』

 吐き出される炎を掻い潜り、竜特化の攻撃で足を斬ると、

『グアッ!』

「こっちだって黙ってねーぞ!」

『わ、わかった!我が悪かった』

 と人間の姿になると眼鏡をかけたキッチリとした男だ。

 自分で腕を治し、こちらにやって来て、

「悪かった、少し奢っていたようだ」

「俺こそ悪かったな、もう少し早く着けるが威圧されるとどうしても腹が立ってな!」

「そうか、他のドラゴンにも言っておこう」

「それより指輪は?」

「この有様だ」

「リワインドリング!」

「おぉ。綺麗に戻ったな」

「んでこれが菓子と食べ物だ」

 と山のように出すとリントブルムは収納して、

「ありがとう!」

「いや、それとゲームもいるんだろう?」

「あ、あぁ!あれがやりたくてな!」

「コンセントは…用意してあるな」

 テレビとゲーム機をセットしてやると、嬉しそうにスイッチを入れるリントブルム。

「ははっ!これがゲームか!」

「一緒にやるか?」

「できるのか?」

「おう、対戦なんかも面白いぞ?」

 と2人で団子を食べながらその日はゲームをして過ごした。


「も、もう行くのか?」

「他のドラゴンにも持っていかないといけないんでな、ニーズヘッグと対戦とかできないのか?」

「なに!そんなことができるのか?」

「たぶん通信ができれば行けそうな気はするが?」

 するとニーズヘッグにつなげて喋るリントブルムは、なんとか線を繋げたらしくニーズヘッグと有名なレースゲームをするそうだ。

『我に勝てると思うなよ!』

「ふん!こっちは一日中やったからな!」

 …楽しそうである。

「それじゃあな!」

「あぁ!ありがとう!」

 転移石に触り外に出る。

 後五つか、同じくらい気さくでいいやつならいいんだがな。


 それよりつぎはどこだ?

 とカフェに入って地図を見るとファフのところが光っているが無視だな。もう一つ光ってるのはここはエチオピア?はぁ、また行くのもめんどくさいからそのまま行くか。


 とりあえず収納にはまだ余裕で菓子も食べ物もある。テレビとゲーム機もあるからいいだろう。

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