高校卒業のあの日から前に進めなくなった俺と、変わってしまった彼女が再会したところから回り始める歯車。過去、そして未来。その裏にあった真実はーーー紫陽花を彩る雨の様な、深々と降り積もる雪の様な、静かで美しい物語。
就活生という危うげな立場の中でかつて恋人だった実里に再会する仁。揺れ動く心の描写が繊細で、二人の恋の行方を見守りたくなりました。最後まで読めば仁の気持ちにも実里の気持ちにも寄り添えるはずです。