第34話ピンチヒッター古賀·埼玉県富士見市

西武園ゆうえんちを後にした古賀は、次の目的地である茨城県へ行こうとしていた。

途中コンビニに立ち寄ってコーヒーを購入し一服していたところ、三十代半ばの男が声をかけてきた。

「あの、急なことで申し訳ないのですが、野球ってできますか?」

「は?野球ですか…?」

「私はチーム·富士見ベースターズの監督をしている加田木かたぎといいます、実は今日練習試合があるのですが、一人急病で欠員してしまったのです。それでもしお時間があれば、選手として出場というのは可能ですか?」

古賀は子どものころから野球などしたことなかったが、小説のネタになると思い参加を承諾した。

コンビニからバイクで十五分、練習試合が行われているグランドへ到着。 

「古賀さん、すぐにバッターお願いします!」

「ええっ!?」

試合はすでに大詰め、ここでどちらかのチームが勝ちを決定する局面だ。

古賀は素人なりにバットを構える、ピッチャーがボールを投げた。

カーン……!

古賀が打った!ホームラン……ではなく、ピッチャーゴロだった…。

「うわー、ごめんなさい…」

その後、古賀はボールを打てず、結果は富士見ベースターズの敗北に終わった……。


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