第16話ヨット·神奈川県長者ヶ崎

海岸をながめていると、ふと三隻のヨットが目に映った。赤と白·緑と黄·黒と白の帆が青い海に色をつけているかのように映える。

「ヨットか、さぞかし気持ちよさそうだろうな…。」

古賀はそう言いながらスマホで写真を撮った、そして砂浜へ向かう途中、一艘のヨットが海に出ようとしているのを見た。

古賀はふと気になって、ヨットの近くにいる男に声をかけた。

「すみません、それはあなたのヨットですか?」

「あぁ、そうだよ。あんただれだ?」

「私は古賀といいます、小説を書きに全国を旅しています。」

「なんか、かっこいいな……。おれは加藤崎生かとうさきおだ。今からこのヨットで沖に出るんだ。」

「その沖に出ているヨットを見てもいいですか?小説のネタにするので……」

「いいっすよっ!ぜひとも見てくれ。」

古賀は加藤のヨットが青い海を進む様子を、しっかりと脳裏に焼き付けた。それはまだ見ぬ世界へ進んでいる喜びを、感じさせるものだった…。

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