電動バイクと旅する原稿

読天文之

関東編

凍える風が吹く都会の道路、一人の男が電動バイクに乗りながら車の群れと走っている。

「さーすらおぅーー、こーのー世界中ーっを」

旅といえばでおなじみ「さすらい」を口ずさみながら進む、ちなみに男は奥田民生の歌う「さすらい」が好きだ。

この男の名は古賀弥三郎（こがやさぶろう）、古賀透（こがとおる）というペンネームで活動している作家だ。彼は過去に本屋大賞や芥川賞など数々の賞を受賞したが、ここ最近はとくに作品を書けておらずマンネリ気味な日々を過ごしていた。

そんな時、古賀は旅に出ることを決意した。人生で一度はやってみたいと内に秘め、日本全国制覇を目標に気ままなバイク旅を始めたのだ。

果たして彼は、どんな旅をするのだろうか…？

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