『猫の手も借りたいほど君が好き』
優しく包み込むんだ
両頬を手のひらで
そしたらあの子
ニッコリ首傾げ
僕の親指を握り
「なぁに?」と
ため息のように囁く
##########
そこで妄想から覚める
手を見る
はぁー
僕はあの子の最愛にはなれない
だってあの子は猫に夢中
筋金入りの肉球マニア
どんなに鍛えて血管浮かせど
プニプニからは遠ざかる
男らしい手は目指せるけど
猫らしい手は目指せない
だから祈るしかない
「神よ!与え賜え」
特級の肉球を与え賜え
そしたら僕はあの頬を
爪を立てずに優しくなぞる
あの子の目はトロンとして
僕の手を取り
299に唇を押し当て
そして
愛の言葉を僕の耳に
零距離発射する――はずです
「猫よ!教え賜え」
塀から見下ろしてないで
宜しくごご指導ご鞭撻下さい
どうすりゃあの子の気を引ける?
僕はお前より愛されたい
猫より僕に夢中になって欲しい!
「君よ!聞き給え」
猫動画ばっかり見てないでさ
たまには僕を見て
「君が猫を想う気持ちより強く、僕は君のことを想っているよ」
抱き締めたい
ヒト科の手で
愛しくて狂おしくって苦しくて
猫以上に獣になってしまいそうだ僕は……
##########
でも当分は現状維持?
僕らは猫友達
可愛い猫の動画を教え合う
それ以上でもそれ以下でもない関係が続きそうだ
でもいつか絶対に
「僕は猫に勝ってみせる!」
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