第4話 カクヨムで浮上するコピーの作り方(応用編)


応用(やれたら加点になる)編です。


カクヨムならではのことも多分に含みます。



・応用編①。

パワーワードが入っていると、超強いです。

「いや当たり前w自明w」と思われるかもですが、入れられるときは狙って入れたい。

そのくらい、訴求力が違います。


【パワーワードを使う】


このパワーワードって、なんぞや。

それは立場や場所によって違うのですが、

カクヨム等の小説サイトであれば、あけすけに言ってしまうと、エロです。


エグくて申し訳ないですが、

「おっぱい」だの「美少女」だの「セックス」だのなんだの

多分、このページを適当にスクロールしてた人は、上の行で一瞬、手か目を止めたと思います。


また、このページを遠目にして見てみてもらうと、

上記の単語だけ、浮いてるというか、意味がパッと飛んできませんか……?

(え、私だけ……?///)


真面目に言うと、こういった単語は入っただけで目を留めさせます。

まさにキャッチされるわけです。


また、(キャッチ力は数段落ちるものの)パワーワードはエロばかりではありません。

界隈でよく使われるアツいワードや流行り言葉が入っていると、それだけで読み専は目に入れてくれるので、

(中身と無関係でない限りは)パワーワードは狙いたいところです。


逆に、ウェブ小説であまり使われないような奇をてらった単語は、

よほど下記の要件を満たしていない限りは、意外と効果がない印象でした。

デファクトスタンダードには敵わない……


酷い言い方ですが、股間に響くのが大事ですね……いやガチで……

エロ限らず、人間が動物である以上、本能的なとこに訴求するのが一番強いようです。



・応用編②。

疑問を持たせる文面にすると強いです。


【疑問を持たせる】


たとえば、今一秒で考えたキャッチですが、


『隣の鈴木さんが触手で絡んでくる』


とか。


「隣の鈴木さん」という普通の言葉の後に、

「触手で絡んでくる」みたいな文言が来ると、


「え、鈴木さんって触手生えてんの?人外もの?どんな話やねん」


と疑問に思って、クリックへの心理的障壁が下がります。

謎への答えが知りたい。これはミステリー的な要素でもあります。


本当は、その前に「目につかせる」っていう大事なフェーズがあって、

上記のコピーにはそれがないため、恐らく読み専にはスルーされるとは思います。


が、目についた後にクリックさせるためには、謎は有効な手段です。


謎というと難しいと思われるのであれば、

違和感、という言葉に置き換えても良いと思います。


文の前後で違和感があると、フォローの反応が変わります。


企業のキャッチで言えば、神戸女学院大学が


「女は大学に行くな、」


という電車広告を出した例があります。

違和感ありまくりですよね。

無事、バズりました。



・応用編③。


当然ですが、笑わせればアドです。

キャッチコピーも、お客さんを楽しませる文章であると考えるなら、

そこに笑いという報酬を入れることは、作家を自認するなら違和感ないのではないでしょうか。


【キャッチコピーで笑わせたらアド】


なぜだかわかりませんが、カクヨムでのラブコメジャンルは、こういった優れたキャッチコピーの宝庫になっています。

一見の価値はあります。


「そうはならんやろ」「でもなっとるやろがい」なシチュエーションを一行で説明してしまえれば、とっても強いです。

私のキャッチの伸びの理由も、恐らく一番はここにありました。


さらに高度になると、

①キャッチコピーやタイトルの違和感でお客さんを引っ張ってきて、

②本文一行目で笑いのオチをつける、

なんてことをやってる人もいました。

書籍化されましたね。


そこまでいくのは至難の業ですが、

自作のシチュエーションを俯瞰して、

興味を惹けるような笑える文言にまとめられると、とても武器になります。



・応用編④


見知った単語や構文をつかうと、なかなか強いです。

上記1〜3には少し劣りますが、効果はあります。


【テンプレ構文を使う】


例えば、

「ご飯にしますか、お風呂にしますか、それとも……」

とか

「おもしれー女」

とか

「あんたのために〇〇したわけじゃないんだからね!」

とか


これのなにがよいかというと、見知ってる構文は「目につく」上に、「知ってる箇所は読み飛ばすので、本題にすぐ目が行く」という点がよいですね。

しかも、テンプレ構文には元々のイメージがあるため、応用②③のギャップと笑いを入れやすいのもアドです。


「あんたのために戦争したわけじゃないんだからね!」

とか言われたら、ちょっと「なんだこれ」って思っちゃいますよね……?


当然、いつでも使える手法ではないですが、

ひとつの発想としては持っておきたいです。



・応用編⑤


先行の人気作品(特に商業)と同じ匂いをさせると強いです。

これもゲスい話ではありますが、周囲を見た限り効果は高いようです。


【先行の商業作品を匂わせる】


たとえば本好きの下剋上っぽい企画なら、

「あれと同じ楽しみをこの小説でも感じられるよ」

というのをキャッチコピーで表してあげられると、無名でも応援してもらえます。


あとは今なら、毒見とかね。

先行の有名作と似た匂いをキャッチコピーで示すと、読み専が来る印象です。

また、異世界でお店やってほのぼの系とかも、匂わせからお客呼ぶのがしやすそうでした。

逆に異世界系は、そういうのが溢れすぎてて難しそう。


上記は当然、企画段階にも関わってきますので、おいそれと使えるものではないです。

が、

「読み専は、一度美味しかった味を何度も食べたがる」

と捉えれば、応用の効く考えかと思います。


読者になったときの自分を振り返ると、そうだしね……



・応用編⑥


一文目は、短く、意味も薄く、そして、ひらがなであるほうが読みやすいようです。

これは、ただ私が沢山キャッチ見て思った個人的感想ですが、でも多分合ってるはず。


【一文目は短め、意味薄、ひらがな】


たとえば、

「うわっ!」とか、「はぁ?」とか、「うるさい!」とか。

こういうのが初手に来ると、意外と目について、そこまでは読みます。


当然、感嘆詞でなくて、もっと意味があってもよいです。

ただ、その場合でも、短くてひらがなであるほど、読みやすいかなと思います。


例えば、追放もののキャッチを適当に作るとします。


「世間で有名な俺を追放? はぁ?」

「はぁ? 世間で有名な俺を追放?」

だと、


どっちの文字列が目に付きますか……?

個人の主観だとは思いますが、私は後者だなと思います。


初手がひらがな言葉で、その後にパワーワードなんかが来ると、

なんとなく文意を読んでしまうんですよね。


逆に、初手が漢字の造語の羅列とかだと読まれにくいというのは、

前出の基礎編で理解いただけるかと思います。



応用編は以上です。

最後に、恥ずかしながら私の実例で前後比較をして、

こうやったら伸びたんだなという参考にして頂けたらと思います。


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