第56話
次の日に、男は間宮の屋敷へしょっ
「お前の名は、
「はい」
と素直に答えた。
「罪状に
「ありません」
と佐々木が答える。
「では、お前に刑を処する。謹んで受けよ」
高座から言う間宮に対し、佐々木は深く頭を下げて平に伏した。それを見た
「いよっ!
と声を上げた。
「黙れ! 犬使い!」
間宮は厳しく言ったが、僅かに口角は上がっていた。
お
「ほんっと、間宮の裁きはかっこよかったぜ。だんだん、あいつのことがお奉行様に見えてきた」
義則が言うと、
「ほんっと、よっしーったら、時代劇好きだよね~」
「おじいちゃん子だもんねえ」
と
「そうなんだね。僕は時代劇、見た事ないからよく分からないけど」
と
「お前、間宮のこと、好きじゃねえって言ってたんじゃなかったか?」
「おう、最初はな。王様みたいに偉そうで、何か鼻につくっていうかさ。でも、あんなんだから、誤解されやすいんだ。あいつ、本当はいい奴なんだぜ」
と義則はだいぶお気に入りのようだが、その理由は、お奉行様に見えるからだろう。
「これで、一件落着だな」
義則が言うと、
「本当にそうかな?」
と雪兎が言う。
「どういう事だ?」
義則が問うと、
「う~ん、よく分からないけど、これで終わりな気がしないんだ」
と雪兎が答えた。
「そうか? 佐々木が首謀者じゃないって事?」
義則が言うと、
「そう言われると、なんか、あいつは小者感があるな」
と峰人が言う。
「それじゃあ、黒幕が他に居るって事か?」
義則が聞くと、
「そうかもしれない」
と峰人が答えた。一同、考え込み、沈黙が続いた。
それから数日経ち、
「へ~、さすが龍使いの家は違うなあ」
「広いだけじゃない」
と
「やっぱ、龍使いはみんな、豪邸に住んでいるのね!」
美姫は目を爛々と輝かせて、キョロキョロと辺りに目を向ける。絢と雪兎は黙って歩き、
「騒ぐな。品がないぞ」
と彼らに注意した。義則は以前のようにはしゃぐことはなかったが、この庭の景色はとても気に入っていた。もちろん
「
義則はそんな
「
と隼人は友人たちに言った。今日ここへ来たのは、義則、雪兎、美姫、絢、隼人、雫、朔太郎。
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