第7話

決闘当日。俺は、この日のために寝る間も惜しんで力をつけた(スキルの大量取得)。そして、それで流した汗(1割)と涙(9割)は決して俺を裏切らないと信じて、俺は、ギルドの訓練場まで来ていた。

「ようリョータ。準備万端か?お前のことについてはタツヤとかいうやつに聞いて来たが、それとこれとは別だ。お前の未来はお前自身にかかっている。」

オズワルドだ。未来?なんのことを言っているかは分からないが、今は決闘に集中しなければ。

「では、これから決闘を開始する。スキル、魔法の使用はあり、魔道具の使用は禁止、発覚した場合、相手の不戦勝となる。双方、相手を殺さないように。では、始めっ!」

審判の合図で開始した。まずは倍加で俊敏を上げ、回り込む。

「どこ行った。」

見失っているようだ。

「ウォーターフロア」

水属性の上級魔法であたり一帯を水で満たす。訓練場の周りは防御魔法で区切られており、漏れ出すことはない。

「な、何⁈」

相手は混乱してるようだ。実験によりこの水は自分には影響がなく、普段と同じように行動できることがわかっている。相手は水中呼吸のスキルを持っているのか、溺れてる様子はない。水中で完封する作戦はおじゃんだ。

「ヘルフレア」

火属性の上級魔法で水を無理やり蒸発させ、そのまま相手にぶつける。

「ウォーターシールド」

相手は落ち着いてそれに対処し、無傷で魔法から脱出する。

「お前の魔法すごいな。だが、上級は魔力消費が高い。いくらお前が魔力を持っていても、もう魔力は尽きてるはずだ。」

何を言っているんだ。MPはまだ100しか減っていない。まだまだ打つことが出来る。相手の様子から見るに、水属性魔法の使い手のようだ。

水には雷、雷には土、土には火、火には水が効くという法則があり、雷で攻めればいいはずだ。

「サンダーバード」

雷が相手に向かって飛んでいく。

「チッ、もう気付いたのかよ。」

やはり、相手は雷魔法に弱いようだ。

「ウォーターシールド!ウォーターシールド!」

相手は声を張り上げて発動したが、雷魔法の強みはその速さだ。

相手の魔法の発動は間に合わず、みぞおちにクリーンヒットし、相手は気絶した。

「そこまで!」

審判の合図で、決闘は終了した。

「リョータ兄ちゃん凄かった!」

従兄弟のユウキが、俺に抱きついて来た。

「すごいだろ。がんばったぞ。」

だから離してくれ。ユウキはまだ4歳なのに力がとても強くて、抱きつかれるとかなり苦しい。多分ステータスの攻撃力は1000くらいあるんじゃないか?

「うん。それとおじさんたちが後でリョータに聞かないとって言ってたよ。」

いろいろ質問されるだろうなぁ〜。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る