第5話

冒険者ギルドに着いたので、採取依頼の完了報告をして報酬の銅貨10枚をもらうと、他の冒険者たちが俺に群がって来た。

「「「「俺(私)達のパーティーに入ってくれ(ちょうだい)!!!」」」」

あれ、もうなんかしちゃった?そう思ったが違うらしい。ただのパーティーの勧誘だ。だが、あまりにも人が多く、家に帰りたいのに邪魔でなかなか動けない。

「『変装』」

そう小さくつぶやいて適当な、近くにいた人に変装すると、周りは混乱し、散り散りになって俺を探し始めた。

「やっと抜け出した。」

そう独り言ちると俺は変装を切り替え、元の姿に戻った。このスキルは発動時にMPを10消費するだけなので、コスパがとてもいい。ちなみにMPの平均は500くらいなので俺はかなりを持っている。

ブラブラと歩きながら家に帰っていると、The凄腕冒険者って感じのおっさんが絡んできた。

「おい、ゴブリンが何街の中をうろついてんだ。人間みたいな形をして。」

変装スキル、必要な時に効果を発揮しないというゴミ性能だった。

「門番のタツヤさんに聞いてください。俺の兄で、うまく説明してくれますよ。」

だが、彼はそれでは納得しなかったようで、なんとこんな事を言って来た。

「お前についてはそのタツヤってやつに確認するとして、俺がお前を認めるかどうかは別だ。俺と決闘しろ。」

「はぁ⁈」

思わず叫んでしまい、周りが何事かとこちらをみた。決闘とは、勝った者は負けた者に対して法の範囲で1つ命令することが出来るのだ。

「正気か?」

決闘は冒険者登録してる者同士しかできない。俺は冒険者だと言ってないのに彼は決闘だと言い出したのだ。

「正気だ。お前も、冒険者なんだろ?俺の名前はオズワルドだ。よろしくな。決闘は5日後、ギルドの訓練場でだ。」そう言って強引に決闘が決まった。なんでこんなことに。

ションボリしながら家に帰り着くと、家族が総出で迎えてくれた。しかし、俺の顔を見ると、急に心配し始めて、こんなことまで行って来た。

「大丈夫か?もし、冒険者に虐められたのなら言ってくれ。社会的に終わらせてやる。」

やめてあげて!そんなんじゃないから!

「オズワルドって人と決闘することになっちゃって。」

そういうと、家族は何やら騒ぎ出した。

「そのオズワルドってやつ殺すか?リョータに決闘を強制して来たんだ。」

「いや、リョータにスキルを覚えさせてそいつをボコボコにしてやろう。」

「それがいい。リョータを最強にしよう。」

「「「それだ!!!」」」

みんななんか楽しそうだなーなんて現実逃避してたら、何やらすごいことが決まっていた。

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