第7話 幽霊になった彼女

 ゆらゆらと浮かんでいる。


 まるで悲しそうに俺の彼女が浮かんでいる。


 僕は彼女に問う。元気かい? と。


 彼女は死んでいるんだから大丈夫なわけないと言って笑った。


 僕は彼女に聞いた。今の生活は満足かい? と。


 彼女は答えた。あなたといられて幸せだよ。と。


 残念だ、僕と考えは違うんだねと。僕は心の中で思った。



 僕は朝早くに家をたつ。寺に行くために。


 どうやら彼女はまだ僕の計画には気づいてないらしい。良かった。


 僕は言う。楽しいところに行こうと。


 彼女は無邪気に今日行くところについて話しながら笑う。


 ただ僕は伝えてない、寺に行くのだと。


 寺に着いた。彼女はようやく気付いたらしい。


 彼女は言った。私を家に帰して、帰して。


 僕は走って寺に駆け込んだ。


 寺に入る前に彼女は僕に呪いをかける。


 そして僕の意識が失われていく。




 ああ、ようやくあなたと一緒になれた。彼女はそう言って笑った。

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