『明日僕はザクに乗る』
「怒りは情熱に悲しみは優しさに変えろ」
父が遺した言葉だ。母を亡くし男手で僕と妹を育てた父。働き詰め、体を心を壊し、作業中の事故で命を失った。アースノイドだった父は差別され続け、それは僕らにも及んだ。
明日僕はザクに乗る。
怒りを情熱に、悲しみを悲しみのまま抱いて。
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探るように掌を押し当てる。深緑の装甲冷たい。宇宙の温度が染み着いている。俺と同じだ。なぁお前、家族はいるか?俺はいる。
兵士は最高だな。死が有意義にカウントされる。自らの死も敵の死も。
明日俺はザクに乗る。
子供の写真を操縦席に貼って。
「まだ俺の死はカウントさせない」
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ニュータイプなんかじゃない。私、誰の気持ちも分からない。機械としか通じることができない。私の感情なんて殺戮のスイッチでしかない。
「死ぬ前に誰かを好きになりたかった」
特別な力なんて要らない。ただ普通に私は・・・
明日私はザクに乗る
サイコミュ搭載の試作機に。
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