登場艦船

【銀河帝国】


■特重戦列艦

【解説】軍団旗艦以上のクラスに割り当てられる大型戦艦。防御力や指揮管制力に秀で、個艦防衛力にも優れている。実験艦や技術実証艦としての側面もあり、コスト度外視の設計をされる事から特徴的な艦影を持ちやすく、軍団の“顔”として士気向上の役割も持っている。

 ●アトミラール・シェーア級…第六.五世代艦として建造され、第七世代戦列艦の雛形となった一隻。初めて四五センチ砲を搭載し、艦上部には回転砲塔のニ十センチ砲も装備している。防御力、通信管制力にも優れ、軍旗艦を務めた艦もある。

 【物語登場艦】

 ▶アトミラール・シェーア…ネームシップ。第一軍旗艦。高度な指揮管制力を生かした統制艦隊運動がゴルトシュタインの戦いで仇となった。

 ▶アトミラール・パーペン…三番艦。第三軍旗艦。

 ●ビスマルク級…第六世代艦であり、軍団旗艦として建造された量産型大型戦艦。特筆すべき特徴を持たない代わりに安定したスペックを持ち、多くの軍団において旗艦を務めた。

 【物語登場艦】

 ▶

■重戦列艦

【解説】重火力による統制射撃を旨とする帝国海軍の中枢を占める戦艦。帝国海軍の戦列師団編成において全体の半数以上を占める。火力と防御力に優れ、個艦運用よりも集団での統制運用に重きを置いている。

 ●グナイゼナウ級…第六世代に属する帝国海軍の主力戦列艦。先代のカイゼル級よりもコストパフォーマンスを重視した事で比較的安価、短期間での建造を可能とした。師団旗艦としても大きな改装を必要としない汎用性の高さから、多数が量産されて戦線に投入された。

 【物語登場艦】

 ▶デアフリンガー…第十七戦列旅団旗艦。リヒャルト指揮の下第三次ゴルトシュタイン海戦に参戦し、轟沈した。

 ▶モルトケ…第五師団旗艦。

 ▶ラインラント…第一軽師団旗艦。

 ▶テューリンゲン…第一軽師団A戦闘団旗艦。

 ●カイゼル級…第五世代の帝国海軍の戦列艦。初めて回転式砲塔を全廃したが、運用人員数の多さや高価格がネックとなり、早々にグナイゼナウ級への移行が進んだ。現在では帝都防衛軍団や地方警備部隊、親衛隊などに配備されている。

 ●シャルンホルスト級…第七世代戦艦として設計が進められている新世代戦列艦。艦艇制御の高度な機械化により、乗員数の削減を目指している。

■巡洋戦列艦

 【解説】戦列戦における機動打撃力を期待された高速力、高火力の艦艇。騎兵師団と称される機動部隊に集中配備され、突き崩した敵の戦列に突撃して破砕する役割を期待されている。

 ●リュッツオウ級…現在の帝国海軍の騎兵師団の中核を占める第六世代に属する新鋭巡洋戦列艦。前方に三五門も四三センチ荷電粒子砲を装備し、敵艦隊を一撃で突き崩す高火力を実現している。

 【物語登場艦】

 ▶ドライ・ロト・ローゼン…第二騎兵師団旗艦。“血みどろ伯爵”ことリーデンス中将の旗艦であり、赤一色に揃えられたリュッツオウ級の群れは連邦軍に“レッド・ランサーズ”と呼ばれ恐れられている。

 ●ヒンデンブルク級…第四世代艦に属した。設計の優秀さからリュッツオウ級の登場まで長期に渡り運用され続け、現在でも戦列師団所属の騎兵旅団などに配備されている。

■装甲戦列艦

 【解説】重戦列艦による戦列戦の補助、中小規模部隊での作戦行動等を目的に建造された準主力艦。その特性から、戦列旅団の中では最も配備数が少ない艦艇である。一方で中小規模の戦闘においては主力を務める。

 ●ライプツィヒ級…攻防速のバランスとコストパフォーマンスに優れた装甲巡洋艦。連邦の同クラスに当たるザラ級重巡洋艦よりも火力で劣るが、重戦列艦を中心に据える帝国軍においては主力決戦での役割を求められていないため、第五世代艦であるにも関わらず代替艦の計画は無い。

■軽戦列艦

 【解説】主力艦隊の護衛、防空に加え単独での作戦能力も持つマルチロール艦。連邦軍の分類では軽巡洋艦と駆逐艦双方の機能を持つ扱いとなっている。帝国軍においては戦列戦の補助も担える事が期待され、大型艦砲も搭載している。

 ●コルベルク級…第六世代の軽戦列艦。主砲に搭載した八門の三十センチ荷電粒子砲によって主力決戦の前衛も担う事ができる。

■防護戦列艦

 【解説】船団護衛、海賊討伐、警備などに用いられる小型艦。連邦軍の分類上はコルベット艦に当たる。主力艦隊には配備されず、地方部隊での活動が主となる。

 ●G134級…低コスト化を主眼に設計された。最低限の武装のみであり、警戒監視や船団護衛の任務に用いられる。

 ●エムデン級…元々第四世代の軽戦列艦であったが、コルベルク級の普及以降は一線を退いた。海賊相手には強力な戦力であった事から防護戦列艦に艦種が変更され、地方部隊にて余生を過ごしている。

■潜宙艦

 【解説】亜空間内は光速より遥かに速く行動でき、通常空間から視認できない事を活かし、亜空間内から敵を攻撃する事を目的に開発が進められる新兵器。超空間ソナーは亜空間内の物体を千光年単位で容易に補足するため、対ソナー装備となる反質量ドライブを装備する事により極めて調達コストが高騰する事が予想される。

 ●UボートⅠ型…海軍技術研究所にて極秘に開発が進められる潜宙艦。亜高速魚雷発射管八門を装備し、敵中深くでの長期の通商破壊作戦を想定している。


【銀河連邦共和国】


■戦艦…連邦宇宙艦隊の主力を占める大型艦。大鑑巨砲偏重の帝国軍と比べ他艦種との連携や汎用性を重視している。

 ●ワシントン級…艦隊旗艦としての指揮力と防御力を持った大型戦艦。艦隊旗艦や任務部隊旗艦に採用されている。

 【物語登場艦】

 ▶BB10987ワシントン…ネームシップにして艦隊総軍旗艦。

 ▶BB10989ウォースパイト…第三艦隊旗艦。第三次ゴールドスタイン防衛戦の指揮を執った。

 ▶BB11035ナガト…第五艦隊旗艦。

 ●リシュリュー級…連邦宇宙軍の主力を務める量産型戦艦。火力は帝国軍のザイドリッツ級に劣るが個艦レベルでの総合性能はザイドリッツ級を上回ると評される。

 【物語登場艦】

 ▶

 ●アイオワ級…超高出力の超空間通信によって幾光年の広域に展開する連邦軍を一隻で指揮統率する“統合管制戦略”のために設計された超大型指揮戦艦。超強力なシールドとレーザー防空システム、超空間通信の出力を確保するため核融合炉を百基近く搭載した事から全長は三万メートルに達し、竣工の暁には統合軍の移動司令部として使用され、複数星系の惑星に跨る宇宙軍、地上軍の統合作戦を一隻でほぼリアルタイムに指揮統率する事が期待される。

 【物語登場艦】

 ▶BB000001アイオワ…同級のネームシップ。一隻でワシントン級千隻分の以上の価格と見積もられる。星域間管制システムの完成に時間がかかり、船体はほぼ完成しているが実戦配備には至っていない。

 ▶BB000002…二番艦として建造が予定されている姉妹艦。アイオワ建造過程で浮き彫りになった設計の問題点を克服し、新兵器“イージスシステム”の搭載が予定されている。

■巡洋戦艦

 高速機動戦用に建造される大型艦。連邦軍の運用においては主力の交戦中にその機動力で敵艦隊を攪乱する役割を期待されている。

 ●レトヴィザン級…高速砲戦を前提に小口径砲を各部に分散配置し、回転砲塔も備えた特異な巡洋戦艦。火力は低いが汎用性が高く、第三次ゴールドスタイン防衛戦ではそのポテンシャルを大いに発揮した。

 【物語登場艦】

 ▶レナウン…第三艦隊第三五任務部隊旗艦。ゴールドスタインでは第三〇一任務部隊を率いて連邦軍の勝利に貢献した。

■重巡洋艦…主力決戦の補助から船団護衛までを幅広く担う準主力艦。決戦の補助艦としての役割も担い、高い砲戦力と機動力を誇る。

 ●ザラ級…傑作の呼び声高い高火力と高コストパフォーマンスを実現した重巡洋艦。艦隊戦の主力を担う事ができるだけのスペックを持つ。高性能だがコストが高いリシュリュー級を補完するために設計された。

 ●アシガラ級…ザラ級の先代に当たる。分類上は重巡洋艦だが、一切の光学兵器を取り払って正面に向けて六八門の魚雷発射管を搭載したミサイル特化の攻撃艦である事から打撃巡洋艦と称された。現在においても主力艦隊の一角を占めている。

■軽巡洋艦…連邦軍においては小規模戦隊の旗艦、艦隊の前衛、低強度戦への対応等に高い汎用性を持つ高速艦として位置づけられる巡洋艦。

 ●ルーヤン級…主力決戦に追従できる火力を求めて配備が始まった新型艦。先代の欠点である火力不足を補い、艦隊の前衛に立っての砲戦を可能にした。

 ●ナガラ級…火力を犠牲に速力を限界まで向上させた軽巡。駆逐艦を率いた水雷戦隊の突撃で敵艦隊に打撃を与える事を期待されたが、実戦運用では帝国軍の統制射撃の前に敗退する例が多く、艦隊型軽巡となるルーヤン級の開発に繋がった。

 【物語登場艦】

 ▶ソルトレイクシティ…ウィリアムが艦長を務めた。惑星オーバーハウゼンへの輸送護衛任務中多数の敵艦隊と交戦したが、機動力を生かして輸送船団を守り抜いた。

■駆逐艦…主力の護衛から船団護衛までを担う小型艦。高速力と魚雷の打撃力に重点が置かれている。

 ●ギアリング級…実体弾兵装を主に装備し、主力の護衛から敵艦隊に接近しての雷撃戦までを担う事を主眼に建造された。ナガラ級軽巡の失敗の後は一線を退き船団護衛や警備任務に従事している。

■航空母艦…航空戦にも重きを置く連邦軍が建造した航空機運用のための大型艦。その全長は概ね戦艦をも上回り、多数の艦載機を搭載して航空戦を優位に進める。

 ●エンタープライズ級…同時に十機を発進させるためのカタパルトを装備し、三百機以上の艦載機を運用する能力を持った大型空母。

 【物語登場艦】

 ▶ヨークタウン…捕虜となったリヒャルト以下第十七戦列旅団幕僚らを収容した。


【連合】

■重打撃巡洋艦…ミサイル攻撃力偏重主義の連合にあって光学兵器を主武装に置いた主力艦。連邦の戦艦に相当する。

 ●3456型…三六センチ荷電粒子砲三九門を前方に向け搭載した主力戦艦。それ以外にも連合の艦船の例に漏れず多数のミサイル発射管を装備する。

■ミサイル巡洋艦…事実上連合宇宙艦隊の主力となるミサイル艦。亜光速ミサイルを多用し、敵の防空システムの限界を超えて攻撃する事を主眼に置く。

 ●5435.2型…各種ミサイルランチャーに加え、八基の短距離超光速ミサイル発射管を装備する。亜空間を経由して攻撃するミサイルで、亜空間の中では迎撃が事実上不可能なため迎撃が極めて困難なミサイルである。

■重航空巡洋艦…連邦の空母同様航空機運用を想定した艦艇。

 ●5678型…一隻当たり百機程度の航空機運用能力を持つ空母。ただしその実は強力な対艦攻撃力も併せ持つ航空戦艦である。

■大型対空艦…連邦軍の重巡洋艦や帝国軍の装甲巡洋艦に相当する。対空迎撃力を向上させ、防空の主力となる。

 ●987B型…艦隊の前衛として二八センチ荷電粒子砲二五門を装備してビーム打撃力を持ちつつ、百以上の対空砲やミサイルランチャーを持った防空艦でもある。

■艦隊水雷艇…連邦軍の駆逐艦に相当し、高機動力を以て敵に接近し強力な対艦ミサイルを撃ち込む事に主眼が置かれている。

 ●90877型…亜光速ミサイル発射管十四門を前方に向け装備し、強力な対艦打撃力を誇る小型艦。

■警備艦…船団護衛や警備に用いる小型艦。

 ●5678型…ミサイル装備は最小限に、光学兵器を主軸とした兵装が行われている護衛艦。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る