口は災いの元とは言うけども…

名無しの権兵衛

第1話 眠る前の願い事はよく考えて言ったほうがいい

『と!いうわけでね!今日の配信はここまで!』


画面の中で元気にそう笑いながら配信を終わらせようとする女性が1人。

彼女は俺の推しVtuber、わびのさび。

彼女の配信内容は主にゲーム配信で、彼女自身の特徴としては…少々、いやかなりの割合でニコ○コネタや下ネタが多いことだ。

そんな彼女の配信を見終わり、夜もいい時間なので明日のために俺も寝ることにする。


(あっ、明日会社の飲み会かよ…ダッリィ、なんとかしてサボれねえかな…)


ふと浮かんだ嫌な記憶を振り払い今日の配信で面白かったことを思い出しながら眠気に襲われる。


(あー…俺もあの人みてえに楽しくゲーム配信とかしてみてえなぁ…)


ほぼ働いてない頭でそんな淡い願いを抱きながら、俺の意識は沈んでいった。


---翌朝---


「zzz…zzz…んぁ、今何時…はあ⁉︎朝の10時⁉︎」


アラームかけてたってのに壊れたのかよクソッタレ!!!

とりあえず会社に電話を…


「…ん?ここどこだ?」


急いで会社に電話をしようとスマートフォンを探そうと立ち上がった瞬間に気づいた。

ここは俺の部屋じゃねえ。


「あれ…俺誰かの家に泊まって…た訳はねえな」


そもそも泊めてくれるようなヤツは会社にはいねえ…ハハッ、オラ笑えよ。

しかしそうなると自分がここにいる理由がますますわからない。


とりあえず確認しようとしてようやく俺は"最大の異変"に気づく。


「なんか目線低くね?…てかなんか声高くね?…てかなんかあってなんか無くね?」


…いや、いやいや、そんなことはラノベとか漫画とかの話だ、現実に起きるわけがないだろう?なあ、そうだと言ってくれ、頼むぜおい。

最早脳内では分かりきっていたが精神が否定をしてきたので恐る恐る鏡があるであろう洗面所を探し当て"自分の姿"を見た俺はこう言うのさ、ええ?何て言うって?そんなの


「口は災いの元とは言ったけど…」


ってね!オラ、おめえらの好きなタイトル回収だ笑えよ…笑ってくれよ頼むから。

俺は"女の身体"になってんだからさ。

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