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 二人は周囲が森のようになっている風の街の駅までやってきた。森の中を歩いていくと白い小屋のような風の街の駅が見えてくる。駅の中に入るとそこはやっぱり誰もいなくて年老いた猫が一匹だけいた。猫はあくびをしている。

「駅長の猫さんだよ。名前は駅長さん」

 葉ちゃんはそう言って駅長さんの頭をそっと撫でた。(なれているのか駅長さんは逃げたり驚いたりしなかった。とても気持ちよさそうな顔をしていた)

「猫の駅長さん」駅長さんを見ながら宝は言う。

 すると駅長さんはじっとその緑色の瞳で、宝のことを見返したきた。

「ここはとても古い建物で築百年くらいの時間が経ってるんだ。でもすごくしっかりとした構造をしているから、危なくないし、内装も綺麗で、今見ても古くはあるけど、とても感動するような造形をしている人気の建物なんだよ」と葉ちゃんは言った。

「うん。わかるような気がする」と(駅の中を見渡しながら)宝は言った。

 それから、宝も駅長さんのこと。撫でてみなよ。と葉ちゃんに言われて、噛まれるかな? と思いながら恐る恐る手を出してみると、駅長さんは甘えるように宝の手にその頬を当ててきた。

「よしよし」と言いながら宝は駅長さんの頭を撫でた。駅長さんは目を瞑り、そのまま気持ち良さそうにして横になり、眠ってしまった。

 そんな駅長さんをみて、二人は声を出さないように気をつけてにっこりと笑った。

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