第38話武藤樹生は一年生版樹である。

「良いよ。良いよ。そんなに褒められると照れちゃうよ。恥ずかしい」


 言って、音葉は左手を口元へ右手で振って止めろをアピール。


「照れる事無いよ。本当に可愛いよ。信じ無いの。じゃあ和弥君に聞いて見れば、きっと褒めてくれるよ」


 帆南ちゃんが音葉に言うと、


「ねぇ。和弥君」


 和弥君を呼ぶ帆南ちゃん。クラスメートが帆南ちゃんに注目する。和弥君が帆南ちゃんの側まで来る。和弥君は恥ずかしながら来た。


「和弥君。音葉ちゃんのリボン可愛いでしょ。音葉ちゃんに似合うでしょ。昨日着てたお洋服も可愛かったよね」


 帆南ちゃんは和弥君に聞いた。


「うん。可愛いね」


 和弥君は顔を真っ赤にして言った。音葉も顔を真っ赤にして恥ずかしがった。音葉は心の底から思っている。皆んなが見てる中、カップル扱いするのはやめてほしいと、違うのにと。帆南ちゃんは友達で大好きだけども、何かと和弥君とくつけたがるのだけはやめてほしいと!自分もはっきりと言えないので自分でも悪いとも思っていた。


「おい。和弥君だっけ。君顔真っ赤なんだけど。もしかして、その子の事好きなの」


 クラスメートの男の子が言った。武藤樹生むとういつき。身長はやや高く。体格も普通でわんぱくそうな子だ。服装は紫赤の服でズボンはジーンズ。靴は白。まるで一年生版樹である。


「えっ」


 言って、真っ赤な顔を手で覆い恥ずかしがる和弥君。


「分かり易い。可愛い」


 樹生君が言った。音葉も見る見る顔が真っ赤になった。ここにも皆んなの前でカップル扱いする子がいたのだ。恥ずかしさを超えている。好きな子ならまだしもただの友達なのだ。揶揄わないで欲しいと思うばかりだった。


「もう。知らない」


 音葉は言って、怒った。


「樹生君。人を揶揄う様な事言っちゃ駄目だよ」


 クラスの女の子が言った。長谷川陽菜はせがわひな。身長は音葉位の身長か体格は普通。髪型はレイヤード。服装は白の服でスカートは小豆色。靴も白。眼鏡を掛けている。大人しく、優しそうに見えるが言う時は言う感じの子だ。樹生君は気まずそうな顔をする。一年生版心春ちゃんの役目をしている子の様だ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る