第23話宮地煌明と言う男の子。

 次はF組(A)とG組(B)との対戦がある。僕達は次の対戦に向けてこの対戦を見守る。いざ始まって見ると、やはり樹君に絡んでいた子の言う通り、宮地煌明みやじこうめいと、言われている子は格別に違う。この対戦の行方を見守って次に備えたい物だ。


 宮地煌明みやじこうめい君。身長も体格もがっしりとしているのは遠目から見ても明らかに分かる。光る汗が髪の毛を濡らしている。短髪ではあるが、風に靡く位の長さならギリ有る。誰もが圧倒する動き。存在感。その者。


「バヒューン。ドカッ」


「オンリャあー。ビシーッ」


「バコッ」


 何と言う迫力。何と言う破壊力。相手のチームを沈めて行く。


「どりゃ〜あー。お前達はこんな物かー。オラー掛かって来いやー」


 煌明君の圧倒的な強さにG組(B)チームの子達は成す術も無い。


「………………………」


 シーンとしているG組(B)チームの子達は動きもおかしくなり、背中を見せて走ってしまう子も出て来る始末だ。顔に怯えの影が走る。ビクビクしていて、どうやら気後れが先に立っている様だ。


「ヒイィぃ〜」


 逃げ回る子供達。一人。また一人煌明君のボールに沈んで行く。


「お前取れよ」


「お前こそ取れよ」


 子供達の中で擦り合いをしている。何とか交わして来た子供達も当てられるのも時間の問題だ。何とか誰かが犠牲になって取らないと全滅してしまう勢いだ。それとは別に煌明君のチームは余裕綽々の様子だ。まだまだ体力にストックがある。煌明君は口角を上げ、薄笑いをしている。鼻で笑っている様子だ。


「やあー」


 やけになったG組(B)の生徒の一人がボールを取ろうと手を出そうとすると「ドガッ」ボールは腕から弾んだボールが顎に鋭く当たり、その子は後ろに弾き飛ばされた。何と言う無謀。何と言う威力なんだ。その後、子供達は戦意喪失してしまった。呆気なく、勝者はF組(A)と、なった。何れにせよ僕達のチームか渚ちゃん達のチームの勝者がF組(A)と決勝戦で当る事となる。煌明君と当たるのはとても厳しい相手だ。

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