クーデレ彼女のいる日常

メタぼーい

第1話 教室での一幕

「…………」

「………大」

春の陽気に照らされたような暖かな香りが僕の鼻孔をくすぐる。

「ん…………」

瞼が重い。昨日、徹夜した影響がここにきて出たらしい。

「光大…………」

僕を呼ぶ声が聞こえる。

「光大!………」

「いい加減起きろ!」

直後、背中に激痛が走る。

「痛ッッッ!!」

激痛で目を覚ました僕の目に映ったのは少し怒ったようにこちらを覗く彼女の姿だった。

「やっと起きたか。光大」

僕をかなり強めのチョップでたたき起こし、こちらに笑みを浮かべるのは、僕の幼馴染で彼女の南条真理だ。彼女と一緒に帰るため、教室で彼女の部活の終わりを待っていたのだが、どうやらその途中で寝てしまったらしい。

「ごめん。真理と一緒に帰ろうと思って、部活が終わるのを待ってたら寝ちゃったみたい。」

……昨日の徹夜が原因だということは隠しておこう。

「私の彼氏として、一発喝を入れてやろうと思っていたところだが、私のためにわざわざ待ってくれたということで今回は不問にしてやろう。」

「た、助かった~」

「ふむ。だが、次回からは気を付けるように」

「は、はい!」

真理は腰かけていた椅子から立ち上がり、カバンを持ち上げた。

「では、帰るとするか。光大!」

「うん!」

僕たちは教室を後にした。

 


 

 

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