第2話「ちょっとあの女殺してくる」

 ん? ここは……確か……。


 俺は2度目の天井を目にすると、ごくごく普通の感想を抱く。


 手には手錠がはめられ、ベッドに寝かされている状況。どうやら監禁ってやつをされているようだ。


 冷静に観察していると、


「あれ、みぃ君。もう起きた?」


 すごく聞きなれた声が頭上から聞えてくる。


「その声は、レコか?」


「酷いよ。みぃ君!! あの女、やっぱりみぃ君を狙っているの!! だからわたしが守ってあげる!!」


「あの女? 只野友子さんが?」


「そう! あの女。授業中なのに、わざわざ後ろを振り向いて、みぃ君のこと見てたでしょ!!」


 授業中? 後ろを振り向いて……。あっ!


「いや、配布プリントを後ろの俺に配ってくれていただけだが」


「もう許せない!! あの女、ちょっと殺してくるから待ってて!!」


「いや、ちょっと待とう。日本の警察は優秀で、殺人事件の検挙率は94.9%にものぼる。いくらレコが巧妙に殺したとしても日本警察から逃げるのは無理だと思う。それから殺人罪で捕まった場合だけど、死刑または無期もしくは5年以上の有期懲役ってなっている。今回のレコの場合は自己的な理由だしかなりの刑期になると思う。最低でも25年くらいは行くんじゃないか? それまで俺と離れ離れでいいなら、行ってこい」


「そんなに離れ離れはイヤだよ~」


 カチャリと手錠の鍵が解かれた。

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