ねぇ、ダーリン
ミマル
1
ねぇ、ダーリン。
3月で付き合って4年目になるね。
ダーリンは、私がどれだけあなたのことが好きか、ちゃんとわかってるのかな。
ダーリン。
私は冷たくて酷い女だし、強がりで、気も短くて、素直じゃないよ。
でもダーリンは私の事なんでも見抜いてくれるよね。
今日だって、私がお布団で横になりながら、
「何食べたい?」って聞かれて、眠いから上手く答えられなくてさ。
「んー」とだけ言ってたら、「めかぶね?」って言ってくれたよね。
それでさ、私びっくりしちゃったよ。
目も覚めてさ、「うんっ!」って返事したよ。ダーリンはさ、私のことならなんでもわかるよってすました顔で買い物に行ったよね。
でもさ、本当はダーリン、ちょっと自慢げだったよ。クールな顔しちゃってたけどさ、自慢げに思ってたの、お見通しだよ。
そんなダーリンが好き。
ダーリンと出会ったのは小学六年生の時だったね。この話は腐るほど聞かせたと思うけど、ダーリンを初めて見た時、私、びっくりしたんだ。
こんなに美しい男性がこの世にいるんだって。
叶わないって思ってるのに恋しちゃったんだ。好きすぎて眠れない夜もあった。話しかけられる度にドキドキして、幸せだったの。
ダーリンはクールでみんなの人気者。
身長の高いダーリンと、身長が1番低い私。
番号順でも、身長順でも、
私はなんかは横にすら並べないの。
ダーリンの黒くて綺麗な髪。
ダーリンの目の下のほくろ。
ダーリンの瞬きの癖。
ダーリンのぷるっとした唇。
ダーリンの白い肌。
全てが美しくてたまらなくて大好きで、でも叶わなかったね。
そうして6年経って、付き合うなんて…誰が考えた??
予想もしなかった。
憧れてたダーリン。
私がここまで憧れてたこと、知らないでしょう?
ダーリン。ねえ。
もう少しだけ、私がダーリンのこと好きだってこと、知ってね。
今も隣町で寝てるダーリン。
最後のメッセージの「すき」って卵が溶けてるスタンプ、可愛らしい。
おやすみダーリン。いい夢見てね。
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