新しいスタート

@GPT00

新しいスタート

冬の寒さが残る中、なぎとアルは学校の帰り道で静かな風景に包まれて歩いていた。


「なぎ、今日ってもう一月三十一日なんだよね。早いよ。」


なぎは微笑みながら答えた。


「そうだね。一年が始まったと思ったら、あっという間に終わりそうだよ」


「もうおばあちゃんみたいなこと言わないで」


「でも早すぎない?」


二人は顔を見合わせて笑った。

アルは顔を上げ、空を見上げる。


「でも、一月って何だか特別なんだよね」


「特別?」


なぎは不思議そうに訊いた。


「うん、なんか、新しいことが始まるって感じがするんだよ」


「確かに、アルが言う通り、新しい年ってわくわくするよね」


「だから、今年は新しいことに挑戦してみようかなって思ってるんだ」


「それなら私も一緒に!何か始めることって楽しそうだし、アルと一緒ならきっとすっごく面白いと思う」


アルは嬉しそうに微笑んで、なぎに抱きつく。


「ありがとう、なぎ。私もなぎと何か一緒にやりたいなって思ってたんだ。一緒に新しいこと始めて、素敵な一年にしようよ。もう一ヶ月終わっちゃうけど」


「すっごく楽しそうだなあ。でもさあ、アル、新しいことって何か考えてるの?」


アルはまた空を見上げた。


「うーん、まだ具体的には決めてないんだけど、何かクリエイティブなことがしたいな」


「クリエイティブって何?」


「うーん、そうだなあ」


アルは考えながら空を流れる雲を見つめている。

すると、突然アイデアが閃いたようにアルが手を叩いた。


「なぎ、いいこと思いついた!」


「何、何?」


「写真集を作ろう!」


アルはなぎの手を取って思いを伝えた。


「写真集って面白そう!でも、何を撮るの?」


アルはにっこり笑って答えた。


「なんでもいいんだよ。普段見逃してしまうような小さな瞬間や、日常の風景をキャッチしよう。私たちの一年を写真に残すんだ!」


なぎは大きくうなずいた。


「素敵なアイデアだね、アル。それなら、私でも撮れそうな気がする!」


「じゃあ最初の一枚は決まりだね」


「え?何を撮るの?」


「そうりゃこうでしょ」


アルはなぎの肩をしっかり抱き寄せると、

ピースサインをした二人の自撮りの写真を撮った。

空は少し茜色になって、

二人の頬を赤く染めてくれた。


「写真集作ろうぜ記念日だね」


「ねえちょっと、アル、私のスマホでも撮らないとダメだよ!」


二人の新しい一年が始まった。

一月も終わろうとしているこの日から。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新しいスタート @GPT00

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る