青春っていいな

第1話

思春期の男子たるとも、女性には興味を持つ。

そして、同年代の女子と放課後デートをする。

一度は、憧れる。

今、僕はその願いを叶えている。

僕の隣を、クラスメイトの女子が肩を並べて歩く。

僕が１６８センチ〈人権はある〉で、彼女の頭が僕の方よりも少し上だから、

１６０センチを少し超えたあたりか・・・

日本人の成人女性の平均が、１５９くらいなので、高めといえる。

髪は、セミロング。

〈男子だと長髪になる長さか・・・〉

まあ、観察はおいておいて、それなりにかわいい女の子だ。

なので、とても嬉しいしときめく。

そう、ときめく。

そのはずなんだが、なぜか嬉しくない。

仲はそれなりに良い。

少なくとも、悪くはない。

「ねえ、〇〇くん」

「何？」

「こうしていると、周りからは恋人に見られるかな」

「その心配はないと思う」

「どうして？」

僕は女の子が苦手だ。

特に同世代の女の子が苦手だ。

女の子の前に出たら、あがってしまい緊張してしまい。

舞い上がってしまう。

そして、上手く話せない。

でも、不思議と彼女の前だと、普通に話せる。

世の中、科学では解明できない謎は、まだまだたくさんある。

特に人の世は不思議だ。

「何、おおげさに言ってるの」

「いえ、決してそんなことは」

「とにかく行くよ、お兄ちゃん」

僕と彼女は兄妹。

そう、兄妹になってしまった。

親同士が再婚して兄妹になるという、今時漫画やゲームでもないことが、起こってしまった。

やはり、世の中は不思議だ。