第4話

けれども個人の別荘(マイページ)はそこここにいくつでも建てられていた。

それにFLASHゲームはごく近いのでそれをやるには至極便利な地位を占めていた。


私はほぼ毎日ネットの海へはいりに出掛けた。

おもしろフラッシュ倉庫、シフトアップネット、すずぬーと、BABARAGEO……

今でも輝かしい思い出ではあるがそれはさておき。


この辺にこれほどの都会人種が住んでいるかと思うほど、ネットの熱から逃れてきた男や女で砂の上が動いていた。ある時はネットの海の中が銭湯のように黒い荒らしでごちゃごちゃしている事もあった。


その中に知った人を一人ももたない私も、こういう賑やかな景色の中につつまれて、砂の上に寝ねそべってみたり、膝頭を波に打たしてそこいらを跳廻まわるのは愉快であった。

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