そのよん。いざ南国へ
塞がっていた道が割とあっさり開けた、と同時に「本当に農家でいいんだろうか」との思いも抱いていた。私は夜勤明けでも徹夜でゲームする程のゲーマー。欲しいゲームが発売される日は三連休をとり引きこもってゲーム三昧。陽の光とは真反対の生活だ。小学生の頃から早寝早起きは出来た試しがなく、夏休み毎朝のラジオ体操も行ったことがない。そんな私にやっていけるのか…。
「そもそも何作ってんだっけ?」我ながら今更聞くんかいと思った。「前に話したじゃん、聞いてなかった?」と夫は目玉をパチクリさせていた。さーせん、記憶にございません。そもそもゲームしてる時に話しかけるのが悪いんだ、覚えてるわけがない。「メロンだよ」ほー、まぁるい緑の、食べたら喉がイガイガするけどアレルギーかな?ってなるお高いあれですね。
「儲かる予感しかしない」私の中の天使も悪魔もゴーサイン。目指せメロン御殿。「ちなみに売上とかどのくらいなの?」「んー、一番作ってた時は年商5000万って言ってたよ」はいやります、やらせて下さい。そこで働かせて下さい、すぐにでも。そしてゆくゆくは社長の座を私に…。と言いたいのをぐっと堪えて私は南国へ向かうのだった。
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