第105話 バカが釣れたみたいである
自意識過剰と思われるかもしれないが、自分目線で私は男性にかなり好意的に見られる美貌と身体付きに成長していると思っているし、実際に周囲の異性からの死線はねっとりとした視線で見られる事が多く、そしてナンパもかなり多い。
そして、万が一私がご主人様の好みではない場合であったとしても、リリアナが正に私とは真逆の女性らしさを持つ美女であり、健康的な身体付きな私とは対照的にリリアナは出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる身体付きをしている上に、私に関しては良く天真爛漫で透き通ったような美少女と言われるし、リリアナに関してはまさに私の目から見ても大人の色気が凄く、美女という言葉はまさにリリアナの為にある言葉だと言われても信じてしまいそうな程の美貌の持ち主である。
そんな違う系統の美しい女性、それもなんでも命令できる奴隷として近くに置いているにも関わらずご主人様は一向に私やリリアナに手を出さず、それが私たちの悩みの種でもあった。
だからこそ、私たちはこの任務で『ちゃんと一人でもご主人様の手を煩わせる事無く対応できる立派な大人』であるという事をアピールする事によって、ご主人様から『もう私たちは子供じゃない』という認識をさせたいのである。
故に今の私たちはこの裏組織を潰す事に対してかなりの意気込みを持っている。
ちなみに今回私たちが潰す予定の裏組織である【粛清する影】なのだが、ただ潰すだけでは誰でもできるので、潰す事にメリットもかなり大きい組織を選んできた。
そのメリットとは、実験体として奴隷をかなりの数抱えているというものである。
要はその奴隷を解放するのは勿論なのだが、ご主人様の下で裏組織を潰したいという同じ志を持つ者は奴隷のまま我々の組織へと受け入れれば、ご主人様は奴隷をわざわざ探す手間も隷属魔術の手間も無ければ、同じ志を持っている奴隷が一気に手に入るという訳である。
そして私たちは【粛清する影】の本拠地へと向かうと二手に分かれて行動する事にする。
「お? 何だお前……メンバーの証である刺青が見えるところに無いという事は……お前を不審者として判断し、始末する。嫌ならば早急にメンバーの証である刺青を見せる事だな」
ちなみに私は建物の地下を重点的に潰していく流れなのだが、早速潰しがいのあるバカが釣れたみたいである。
このバカは腰に下げている片手剣を抜くと、私に向かって『組織のメンバーである証の刺青を見せなければ始末する』と言って来るではないか。
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