第72話 ゴミクズで有名


 そして、俺が言った事をまるでには当てはまらないどころか、ルドルフの指摘内容が俺に対して武器になると本気で思っていそうなルドルフの相手をしていたら一生終わらないというか自分の発言がブーメランになっている事にすら気付いてないので、何を言っても無駄だろう。


「お前の言い分は良く分かった。だがここでいくら言い合った所でお前は自分の置かれている状況を認めようとしないんだからさっさと決闘でケリつけようか」


 やはりこういうヤツは力でねじ伏せてやるのが手っ取り早い。


 それは法律という力が主な方法ではあるし、武力で相手をねじ伏せるというのは良くないと俺は思うのだが今回は武力でねじ伏せるしよう。


 そもそもルドルフが初めに武力で決着をつけようとしてきたのだから、優しい俺は自分の価値観をではなくルドルフの価値観に合わせてやるわけである。


 ちなみに裏社会の組織などはそもそも指名手配に組織のリーダーやメンバーが出されている時点で法律上殺しても良いので、昨日の一件は、俺は武力ではなく法律で分からせてやったというだけである。


「まさか、逃げずにこの俺と決闘をしようとお前から名乗り出てくるとは思わなかったぞ。では早速闘技場へ行こうかっ。おいお前達っ!! 担任が来たら俺たちは修練場で決闘をしに行っていると伝えておけっ!!」


 そして俺の予想通りルドルフは俺の挑発に乗ると、顔を真っ赤にしながら鼻息荒くクラスメイト達へと担任へ伝えておくように怒鳴るように伝える。


 これほど操りやすい奴が貴族の嫡男とか大丈夫かよ、と思うのだが、どの道俺がルドルフの代でぶっ潰すので関係ないだろう。


 その事を思えば、そんな搾取されかねない未来の心配をする必要が無くなったと思えば、俺は良い事をしていると言えるのではなかろうか?


「あ、あの……大丈夫なのでしょうか?」

「相手は、ゴミクズで有名ですが魔術に関しては同年代で敵う者はいない事でも有名なあのルドルフですよ……っ!?」


 そして『さっさとついてこいこのゴミがっ!!』と言って先に教室からルドルフが出て行ったタイミングで取り巻きの女性たちから心配されるではないか。


 というか俺の事をゴミとか言っていたルドルフが、裏ではゴミだと言われているのには流石に笑いそうになったのだが、なんとか我慢できた。


「そうだな、俺の奴隷二人の方がルドルフよりも圧倒的に強いんだが、俺はその奴隷よりもさらに強いから心配しなくても大丈夫だ。しかしながら、あのルドルフを叩き潰す為とはいえ汚い罵り合いを見せてしまった事については謝罪しよう」


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