ゾンビが溢れた世界で僕らは
@RIM-ARCAKA
第1話 夜の始まり
僕は人を殺した。正確には…人ではないが。
世界はゾンビで溢れた。そう、あの日から…。
僕は「悠志」だ。ごく普通の中学生。
僕の生活が一転したのは2週間ほど前。
そう、あの日は大雨だった。
ザーザー…ポツンポツン…と鳴り響く廊下。
「生徒の皆さん、落ち着いて聞いてください。」
雨の音を遮るように放送が始まった。
「大きなスズメバチが2階の廊下にいます。」
〝大きなスズメバチ〟とはこの学校では
合言葉で不審者が侵入してきたときに使われる。
2-3の教室でみんなは慌てていた。
その時だった。
「ヴガアアアアア!!!」
とても人間とは思えない奇声を発しながら
2-3の教室の窓を割り不審者らしき人物が
教室のなかへとはいってきた。
1人、また1人と噛まれて感染し
感染した者が感染していない者を噛む。
その繰り返しだ。
そう、僕は地獄絵図を目の当たりにしたんだ。
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