妖怪になりたかっただけ、なのに

いちこ

はじまり

20XX年。

今の日本は、人間と妖怪が共存していく街と変貌していった。

最初の頃は、妖怪が一割いるかいないかの時代だったが、いつしか妖怪が増え、今では妖怪ばかりが住む世界と変わっていった。



その中でも人間はごくわずか。一割も満たない。

ただし、子供は除く。



どうしてここまで妖怪が増えてしまったのか。

原因はこうだ。

十七歳を迎えた子供たちが思春期の一環として妖怪に変身するカラダとなっており、全員が多種多様な妖怪に変身する仕組みになっている。



基本的には十七歳を迎えないと妖怪になれない。

しかし時々、稀にだが、小さな子供でも妖怪になってしまうこともあるようだ。



なので十七歳以上、つまり大人は必然的に妖怪になっていくのだ。

いつからこんなカラダの仕組みになったのか、誰がそうしたのか全く分からない。



だが、一つだけ言えることは、今日本にいる妖怪は元人間だということだ。







そんな僕、加賀谷 空かがや そら、十七歳。

誕生日を迎えても尚、妖怪になれないのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る