学校一の美人にこっ酷く振られた僕は不登校になった。だがしかし…引きこもった先で出会ったネットの友人のお陰で僕は再起する。そして…そこから始まる僕のモテライフ
ALC
第1話ネット上の友人から…
「は?マジで言ってる…?私があんたみたいなモブと付き合うと思ってるの?ありえないでしょ…ちゃんと鏡みてから言ってよね…」
学校一の美人にこっ酷く振られた数日前の記憶が夢としてフラッシュバックしていた。
ハッとして目を覚ますと身体中に汗をかいていた。
現在僕ら学生には夏休みというものが訪れていた。
僕は数日前から学校に行けずにいた。
不登校になりかけた先で夏休みが待っていたということだ。
丁度いいのでそのまま二学期が始まるまで休んでしまおう。
と言うよりも二学期から僕はどの様な顔をして学校へ行けば良いのだろうか。
そんな事に頭を悩ませながらパソコンを起動させる。
パスワードを入れてネットの海に潜っていた。
「おつ。今日も来たんだ。若菜って廃人?」
僕は現在ネットで知り合った友人とチャットをして過ごしていた。
「おつ。学生だよ。夏休みだから暇で」
「ほぉ〜ん。学校一の美人にこっ酷く振られたって言ってなかった?二学期が始まるの鬱じゃない?」
「それはある。めっちゃ行きたくない」
「何で振られたと思う?」
「えっと…見た目がモブ過ぎたかも」
「なるほど。じゃあ見た目を鍛えたら?」
「どうやって?」
「その娘が好きそうな見た目にシフトチェンジしたら?」
「あぁ〜…大変そうかも」
「どうして?」
「筋肉隆々のイケメン俳優が好きみたいだから…」
「夏休みの間は筋トレして過ごせば?ネットの海にいないでさ」
「う〜ん。それで僕に振り向くかな?」
「強気でいきなよ!頑張れ!」
「ありがとう。じゃあまた」
「うん。一日の成果をここに記入していくこと」
「ははは。わかったよ」
そうして僕らはチャットのやり取りを終える。
引きこもりの自室で僕は家族の誰かが昔購入した筋トレ器具をいくつか持ってくる。
その日から僕の日々は筋トレ三昧となる。
一日の成果をネットの友人に送ると毎日褒めてもらえる。
「よくやったね。明日もその調子で!」
その一言が僕のやる気を増長させていた。
毎日の様に筋トレ三昧だった日々が1ヶ月半続いて…。
夏休み明けの登校日がやってきていた。
ちなみにだが筋トレを始めた途端に余計なことを考えなくなりうなされることもなくなった。
普通に外に出れるようになった僕は都内の有名美容室でおしゃれでオススメの髪型にしてもらう。
学校までの道のりで何かしらの視線が僕を襲っていた。
今まで感じたことのない悶々とした熱い視線。
この正体は一体何なのだろうか。
1ヶ月半の筋トレ三昧の日々で僕の体型は確実に変化していた。
筋肉隆々とまでは言わないがいい具合の筋肉質な体型へと変化していた。
「若菜…だよね…?」
目立つグループの女子友達が僕の元までやってくると気まずそうに口を開いた。
「おはよう。そうだけど?何か変?」
僕のハニカム表情を目にした女子達は急に黄色い声をあげていた。
「なんだ?みんな何かあったの?」
女子友達に尋ねてみても答えは返ってこない。
「ミカに見つかったら…」
ミカというのは学校一の美人のことである。
「ミカちゃんが何?」
「何でも無い!今の若菜…凄くかっこいいよっ♡」
「あぁ…ありがとう」
そうして本日から僕のモテライフは幕を開こうとしている。
見た目が変わっただけで僕の人生は一気に変化しようとしているのであった。
そして、二学期の初日に転校生はやってくることになる。
僕らはまだ知らない。
その相手がネット上で知り合った友人であることを…。
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