クセ強高校生の日常

@raaaamen

第1話

第一話

「ふっふっふさあ大人しくこの入部届にサインしなさい♪」「くっ…何故俺はこんな状況に…!?」何故こうなったのかそれは今日の朝まで遡る___________



俺の名前は齋藤響(さいとうひびき)高校1年生だ。前に通っていた高校で問題行動をとりまくって退学になった…いわゆるヤンキーだ。そんな人生のどん底にいた俺だったが、そんな俺でも受け入れてくれる学校があった!それはデストロイ通信制高校という少し変な名前の学校だがまぁ背に腹は変えられないと思いこの学校に転入することになり、今日が転校初日という訳だ。そして今は学校へ行く途中で俺は…迷った。

「くっそーー!何処なんだよ!地図アプリだとこの辺りのはずなんだが…うーんひとまずまだ時間はあるし近くの公園で少し休むか。」

足を運んだ瞬間突然後ろから

「待ちなさ〜い!ヘラクレスオオカブト〜!貴

方をこのカードに封じ込めてム○キングでパーのカードにしてゲーセンのちびっ子に自慢してやるから大人しく捕まりなさ〜い!ハァハァハァ…中々手強いわね…よし権治郎君あの技を!

「了解でござる。飛天○剣…」

「いや、それアウトだろ!何でヘラクレスオオカブト捕まえてム○キングで使おうとしてんだよ!そもそも日本にヘラクレスオオカブトいねぇし、権治郎とか言ったな!お前その技は色々アウトだろ!」

俺は思わず突っ込んでしまった。

「アンタもしかして私達の行動今まで見てた?もし見てたなら貴方のさっきまでの記憶を消さなくちゃ…」

その少女の歳は俺と同じくらいだろうか。少し背が小さく、綺麗な顔立ちをしている俗にいう美少女というやつだ。その少女が俺を睨む。「で?見たの?見てないの?どっち?」

「い、いや俺はカブトムシがどうたらってところしか…」

「ふーんそっか。それじゃ…」

少女が俺の首筋に何かを当てた時おれはその場に倒れ込んだ。薄れゆく意識の中少女が当てたものはスタンガンだと分かった。



——気がつくと俺は暗い場所にいて椅子に手錠で拘束されていて口は頑丈なテープでグルグル巻きにされていた。

(う、うーんここは…?暗くて良く見えないが何か色んなものがこの部屋にはあるみたいだ。お札?何かが書かれた紙?日本刀?とにかくこの場所には色々あるみたいだ。)

この場所を見回してると急に光が差し込んで来て、目を眩ましてしまった。

「あ、目が覚めた?お〜い皆んな〜!」

(こいつはあの時の女?それに皆んなってことはこいつと権治郎とかいう奴以外にもいるのか?)

そんなことを思っていたら女の後ろから人が何人かやってきた。

「貴方様が部長のム○キングを…部長このお方をどのように処分しますか…?」

「ムームー!(誰だお前らは!?とりあえずこの拘束を外してくれ!)」

俺は拘束されながらも必死で訴えた。助からないとしても僅かな希望に賭けた。

「アンタ助けて欲しいの?」

その質問がされた時、俺は必死で首を縦に振った。

「しょうがないわね…権治郎君彼の口のテープを外してあげて。」

「承知したでござる部長殿。」

やっと外された口のテープ。テープを剥がしてもらった口で吸う少し久々な新鮮な空気は今まで吸った空気の中で一番美味だった。俺は口呼吸出来る嬉しさと謎に拘束された怒りをここにいる奴らにぶつけた。

「お前ら俺をこんなにして、何するつもりなんだ!?それに誰なんだお前らは!?」

「そうね。まずは私達の自己紹介をするべきね。私はデストロイ通信制高校1年万能部部長の平井美沙希(ひらいみさき)よ。」

「同じく1年早乙女凜(さおとめりん)でございます。」

「佐々城権治郎(ささきごんじろう)…1年だ…。」

「え、えっと、僕は柊来海(ひいらぎくるみ)だよ…同じく1年。よ、よろしくね。」

「お、それじゃトリはワイやな。同じく1年高槻快斗(たかつきかいと)やで〜。」

それぞれが自己紹介をしてる時俺は1つ思ったことがある。

(何故名乗りのポーズがダ○レンジャーなんだ…)

「あ、アンタ今何で名乗りのポーズがダ○レンジャーなんだって思ったでしょ?あ、もしかしてバ○オマンの方が良かった?それともゴー○ンジャー?」

「いやどうでもいいわ!それよりもアンタらデストロイ通信高校って言ったよな?もしかして、ここがそうなのか?もしそうならまだ手続きが残ってるからこれ外してくれないか?」

そう言い終わると彼女達は顔を見合わせてまた俺の方を向いた。

「アンタ、もしかして今日転入してくるっていう齋藤響?」

「そ、そうだよ。俺はアンタらと同い年の齋藤響紀だ。な、何か文句あんのか?」

俺は前の学校の時の癖で少しヤンキーの口調になってしまった。

「だったら話は早いわ。アンタこの入学届にサインしなさい!そうしたらこの手錠を取ってあげるわ

(入部届ぇ〜?何かまた新しく出て来たぞ…。ん?アイツの左手に持ってるのって…あ、もしや!)

俺は既視感の正体にいち早く気づいて美沙希に尋ねた。

「お、お前それって俺の入学書類か!?」

「そうよ!アンタが公園で倒れ込んだ時にカバンからこれを奪ったの♪」

「おい!それを返せ!じゃないとこっちも実力行使でいかせてもらうぞ!」

幸い脚は拘束されておらず、立ち上がることは出来た。そして、美沙希に近寄った瞬間後ろに小さな紙のようなものが貼り付けられた瞬間、俺の身体は高圧電流が流れたような痺れに襲われ、俺はまた椅子に座り込んでしまった。

「うぐっ…!か、身体が痺れる…!い、一体何をした…!?」

「はい私めがやりました。これは即効性のお札でございます…。私の家系は代々巫女をやっておりますので…。これでお分かりになられたでしょう…?早く部長にム○キングのことで謝りなさい…。そして入部届にサインをするのです…。」

正直めっちゃ突っ込みたかった。何でたかだかム○キングだけでこんな状況になったんだ!?でも今は話すのも難しい状況だ。

「どう?これで分かったでしょう?さぁ大人しくム○キングのことで謝るのと、この入部届にサインしなさい♪」

「そうだよ〜早くサインしないと僕が闇の力で君のことをこの世から消しちゃおっかな☆アハハハハ!」

何だコイツは!?さっきまでオドオドしてたのに、急に可笑しくなってやがる!

(くっそ何故こうなったんだ!?でも、もうこれは逆らえそうにはないな。しょうがない。)

俺は最後の力を振り絞って重い口を開いた。

「俺のせいでアンタらが追っかけてたカブトムシを逃してしまったのは本当に申し訳ない…!

だから、その入部届にもサインはするし、部長のアンタの言うことは何でも聞く。だから、背中に付いたお札と手錠を外してくれ…!」

そう言い終わると美沙希は理解したのか手錠と背中に付いたお札を外してもらった。そして快斗から俺の入学書類と、入部届を受け取った。

「あんさん、凜はんのお札喰らって喋れるなんて中々ガッツありますなぁ〜。ワイあんさんのこと気に入りましたで♪これからよろしゅうな〜」

「あ、ああよろしく。ところで、電気を付けてもらってもいいか?暗くてサインができねぇんだよ。」

そう言うと快斗は部屋の電気を付けた。今まで良く見えなかった入部届の内容を見ると衝撃的なことが書いてあった。

「万能部に入るのには以下の項目にサインしなさい。

1 世界を脅かす悪と戦うこと。

2 部活動には積極的に顔を出すこと。

3 自分の素性を部員全員に包み隠さず話すこと。

(な、なんだこれ?2はまだ分かるが1と3がいまいち分からんから聞いてみるか…。)

そう思いおれは美沙希に聞いてみた。

「なぁこの1つめの項目の世界を脅かす悪と戦うってやつはなんだ?」

「あぁ、それね。それはね…いつ、どんな時も怪人や宇宙人が攻めてきても私達万能部が世界いいえ、宇宙の平和を守るために必要なことなのよ!」

「いや、何だよそれ…お前らはウ○トラ兄弟か?それにその悪だか敵だかってのは実際にいるのか?」

「え?そんなの知らないわよ。でもこれから探すのよ♪ね〜皆んな♪」

そう美沙希が言うと皆んな小さく頷いた。アイツ滅茶苦茶だけど意外と統率が取れてるんだな…

「もう質問が無いならアンタの素性をここにいる皆んなに話してちょうだい。ああでも心配しないで。アンタが話し終わったら私達も素性を話すから安心して。」

「分かった。…俺は前の学校でかなりヤンチャしていた。喧嘩なんて毎日のようにしていた。そんな生活を送ってたら学校を退学になった…。だが、路頭に迷ってた俺を入れてくれたのがここデストロイ通信制高校だったって訳だ。ここに来たからには俺はもう喧嘩から足を洗うつもりでいる。これで全て話したぞ。約束通り次はアンタらの番だ。」

「分かったわ。私、平井美沙希実は——」

そう言って彼女はポケットからピンクの宝石のようなものを出したその時だった。彼女の身体が眩い光に包まれたのだ。

「これが私の正体。魔法少女レアピュアのレアピンクよ!!」

「ま、魔法少女〜!?おいおいおいどうして魔法少女が現実に存在するんだよ…それに何か少し浮いてるし…まぁいいやそれよりどうして魔法少女のアンタがここに通うようになったんだ?

「そうね。簡単に言うと私の母も元々魔法少女だったの。だけど、この格好をするのが段々キツくなって去年私が引き継いだの。昔から憧れてた魔法少女になった私はニチアサで魔法少女レアピュアを放送するようテ○朝の建物の前で一人でデモ活動をしたけど、普通にお偉いさんに怒られてその行動が学校にバレて退学になっちやった☆」

「なっちゃった☆じゃねえよ!!何で魔法少女になって最初にやったことが一人デモ活動なんだよ!?それ普通に犯罪じゃねぇか!!あとお前の母ちゃん何か虚しいなオイ!」

「部長殿が終わったなら次は拙者佐々城権治郎の身分を明かすでござるがよいか…?」

「え?ああ、良いぜ話しな。」

「かたじけない。実は拙者は現代に蘇った戦国の武士のくろーんでござる!」

一瞬コイツの言ってる意味が分からなかった。戦国?武士?どういうことだ?

「お、おい一応聞くけどよお前本当に16か?それに蘇りって?」

「順を追って話すからそこに座るでござるよ。」

俺はすぐそこにあった椅子に座ると権治郎も地べたにどっしりと腰を落とした。

「拙者は…小さな村の貧しい家の生まれであったが、刀の扱いは自分で言うのも癪に触るが長けていたでござる。そして、弱冠10歳にして戦に放り込まれたが拙者は勝ち星を挙げてきた。そして、いつの間にか拙者は神童として崇められていた…。」

「なるほど。その流れでいくとお前は戦で戦死したのか?それとも病気とかか?」

「いいや、違うでござるよ…拙者が死んだ日…あれは友人と釣りに出掛けていた時だったな…穴場の釣り場に行く途中急に友人が変顔をしてきたのだ…。それが拙者の謎のツボにハマって大爆笑してしまったのだ…。」

「え?まさかお前の死因って…?」

「そう…。拙者の死因は笑い過ぎの窒息でござる…!」

「いや、そんな死に方の武士ってダサすぎるだろ!あと、何でそんな言ってやったぜみてぇな表情してんだ!ハァ…それでその後どうやって蘇ったんだ?」

「ああ、それが拙者が死んだ後村の者が死体を腐敗させないようにと温度の低い蔵の中で保管されていた…。そして長い年月が経ったある日、その村の跡地を訪れていたある研究者が拙者の全くと言っていいほど腐敗していない死体を見て衝撃を受けたらしい。」

「んでその研究者がお前の死体を持ち帰って科学技術で人工的に蘇らせたと?」

「その通りでござる。そしてその研究者の元を後にし現在に至る…という訳でござる…!」

「お前、壮絶な人生だな…今度飯奢ってやるよ。でもよお前は別に学校を退学になった訳じゃないんだよな?じゃあどうしてここに来たんだ?」

「それはな…ここに来るまで一度も学校に行ったことがないからでござる!」

「あ〜OK分かったわ。何か悲しいなお前…。」

「次は私の話をしてもよろしいでしょうか…?」

「良いぜ。好きに話しな。」

「ありがとうございます。では話させていただきますね。私は先ほども申したように神社の家系に生まれた巫女でございます。お祓い、封印、式神召喚さらには口寄せなどが出来るいわゆる万能巫女です。

それ自分で言うのかと言いたかったが言わないでおこう。

「んで?アンタもこのバカ部長みたいに退学になったのか?」

「バカってなによ!失礼ね!大体退学はアンタも同じでしょ!」

「いえ。私は単純に成績が悪すぎて行ける高校が無かっただけでございます。」

「お前…何か言っちゃ悪いが今までで一番マトモかもな。あと何かごめん。」

「はい。テストでは毎回最下位、授業中も大体寝てました。受験シーズンの時担任にこのデストロイ通信制高校に行きたいと申し上げたた時の何とも言えない表情は今でも良く覚えています…。」

「…今度俺で良かったら勉強教えてやる。」

「はい。ではその時はよろしくお願いしますね…♪」

そう言って凜は小さく笑った。

「あと勘違いされないように一応言っておきますが私は空を飛んだり、恋の処方箋をあげることはできませんので。」

「当たり前だろ。幻○郷の巫女でも巫○み○ナースでもねぇんだからというか巫○み○ナースなんて誰が通じるんだよ…昔のネット民くらいだぞこのネタ通じるの…。」

「凜はんが終わったなら次はワイでもええか?」

「ええ。構いませんよ。」

「おお、サンキューな〜♪んじゃ早速ワイの正体について話すで〜。」

そう言って快斗はケラケラ笑いながら話し始めた。

「ワイの正体は…特殊工作員や!」

「と、特殊工作員?またどえらいのが出たな…その特殊工作員ってのは映画とかでよく見るアレか?」

「その通りやで〜ワイは元憲兵の父親、ハッカーの母親に育てられて厳しい訓練をさせられたんや。その努力の甲斐あってか9歳のころから色んな国の機密情報を入手したり、大企業のシステムをハッキングしたりしてたんや。その結果ワイには莫大な懸賞金がかけられてるんや!」

「じゃ、じゃあもし俺がお前を警察に突きつけたら俺がその莫大な懸賞金を独り占め出来るってことなのか?」

「その通りやけど、それをやっても無駄やで〜響はん。」

「な、何でなんだよ?」

「話すと少し長くなるけどまぁ簡単に言うならばワイの行為をこの目で見たって人間はこの世に一人もおらんのや。」

「それってどういう訳なんだ…?」

「簡単な話や。バレへんように先に潜入先の機械を特殊なプログラムでハッキングして、その後潜入すればええ話やで〜♪そうすれば簡単に機密情報をゲット出来るっちゅー訳や!」

「なるほど。でもよ?その機械にハッキングしたって痕跡は残んないのか?」

「ああ、そのプログラムはちょいと特殊でなこの世の人間が一斉に解析しようにも今の人類の技術では絶対に解析出来ないプログラムなんやで〜♪」

「何か凄いな…。んで何でお前はここに入ることになったんだ?」

「え?そりゃここなら自由に動ける時間が多いからに決まっとるやろ〜工作員の仕事出来ないのはキツイからな〜♪」

「まだやってんのか?工作員」

「せやで〜まだまだ現役バリバリでやってるからそこんとこよろしゅうな〜♪ってことでワイの話は終わりや!」

「そ、それじゃ最後は僕だね…。えへへ…//」

そう言って来海は少し恥ずかしそうに話し始めた。

「ぼ、僕柊来海は実は魔界からやって来たネクロマンサーなんだ…//」

「ま、魔界?それってゲームみたいなやつか?それにネクロなんとかってのは何だ?」

「えっとね、ネクロマンサーっていうのは簡単に言うと死神みたいな認識でいいよ…。あ、でもここにいる人を殺したりなんてことはしないからね…」

「なるほどな。あとさっきから気になってたんだが、お前包帯とか眼帯してっけど怪我でもしたのか?」

「ううん…。これはね、強力な闇の力を封じ込めておくためなんだ…。」

「じゃ、じゃあその闇の力とやらを今ここで出すことは出来んのか?」

「分かった…少しだけだよ…?」

そう彼女は腕の包帯を外し始めた時、近寄り難い黒いオーラのようなものが渦巻き始めた。これはガチだ。これに呑み込まれたら絶対死ぬだろう。正直痛い厨二病かと思ったが舐めていた。

「分かった、分かった!興味本位で聞いた俺が悪かった!だから包帯を戻してくれー!」

「分かればいいよ…。うふふ…♪」

「お、おうそうか…あとよさっきお前何か変じゃなかったか?アレもその闇の力とやらなのか?」

「あ…あれはね、もう一人の僕なんだ…//名前とかは無いけど感情が昂った時に出ちゃうみたい…もし、あの子が迷惑かけたらごめんね…。」

「お前もお前で苦労してんな…んじゃここに来た理由はそのもう一人のお前が何かやらかしたとかか?」

「ううん…。僕がこの学校に入った理由は部長がお腹が空いた僕を助けてくれたからなんだ…。」

「ええ!?こ、コイツが〜?冗談じゃねぇの?」

「何よ!アンタさっきから失礼ね〜!来海ちゃんの言ってることは事実よ!」

「う、うん…。僕は魔界の学校を卒業した後、両親にずっと憧れてた人間界に住むって伝えたんだ…。両親は反対してたけど何とか説得して人間界に住むことを認めてもらえたんだ…。」

「話の腰を折って悪いが魔界の言葉って人間に通じるのか?」

「えっとね、僕は元々こっちに住む為に人間の言葉を沢山勉強してたから、言語が通じないってことは無かったよ…。」

「なるほど…。悪かったな続けてくれ。」

「えっと、それでね人間界に来たは良いものの住む場所が無かったからネットカフェで寝泊まりしてたんだ…。」

「まさかこの流れで言うと、ネカフェの店員に追い出されたとかか?」

「ううん…。店員さんが僕を立ち退かせようと部屋に来る度に、黒魔術で店員さんの認識をいつも改ざんしてたんだ…//」

(それって犯罪じゃね?って突っ込みたいけど何されるか分からんし突っ込まないでおこ…。いやでも法律的にはセーフなのか?)

「なら何で腹減って倒れたんだ?ずっと寝泊まり出来たんだから食い物には困らなかったはずだろ?」

「それはね…僕がネットカフェの食べ物を食べ尽くしちゃったからなんだ…//」

そう彼女は恥ずかしそうに呟いた。

「え?つまりどういう…?」

「さっき店員さんに黒魔術を使ってるって言ったじゃん…?その時ってすごい体力を使っちゃうんだよね…その反動でもの凄い量のご飯を食べちゃうんだ…。でもそんな生活をしてたらネットカフェのご飯が少なくなっちゃって外で食べに行ったんだ…。でもその移動中にお腹が空いて倒れちゃったんだ…。」

「んでその倒れてるところをコイツに拾ってもらったと…。いやお前どんだけ食うんだよ!ネカフェの食いもん食い尽くすとかある意味尊敬するわ!」

「ふふふ…そう言ってくれるなんて嬉しいな…//」

「いや、褒めてねぇんだけど…」

「さあこれで全員の素性は話したわよ!あと何か聞きたいことある?」

そう美沙希が言った時、俺はするのを忘れてた質問を思い出し、美沙希に問いかけた。

「一ついいか?この学校はあの公園の近くなのか?スマホの地図だとあの近くだったんだが?」

「ああ、あそこね。あそこは一昨日まであった旧校舎の更地なの。きっとまだスマホの地図が更新されてないんだわ。」

「え?一昨日取り壊したのか?」

「そうよ。老朽化のためね。新しい校舎…つまり今いるここはあそこの隣町にあるの。一日じゃそこらじゃスマホの地図アプリも更新されないわよね〜。」

「ってことはお前らは隣町までカブトムシを取りに来てたと…?」

「まぁそういうことになるわね。」

「お前らストイックだな…たかだかカブトムシ一匹で隣町まで行くなんて…。」

「もう質問は無い?無いなら今日はアンタの転入祝いで皆んなで焼肉行くわよ〜!あ、勿論割り勘ね♪」

「よ〜し沢山食うで〜!来海はんどっちが多く食えるか勝負や!」

「うん…。僕負けないよ…!」

「ふふふ…楽しそうでございますね…♪」

「肉を食うのもたまには悪くないでござるな…その勝負拙者も混ぜて欲しいでござる…。」

「お、ええで〜!ほな部長はん早よ行きましょ!」

「ええ、そうね!ほら響、ボサっと突っ立ってたら置いてくわよ〜?」

「え?ああ悪い今行く!」

俺はどうやらとんでもない奴らが集まる学校に転入しちまったみたいだ。だけどこんな高校生活も悪くないかもな。そんなことを思いながら俺はコイツらと学校を後にした。


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