それでも君に認めさせたい

みおゆ

プロローグ

一節:『とある少年』の告白

三つの『恋』

 世の中には三つの『恋』がある。


 叶う恋、叶わない恋、そして――叶えてはならない恋だ。


 最初の二つは説明せずともわかるだろう。世の中、互いの気持ちが合致することもあれば、自分の望みどおりに相手の気持ちが動いてくれるとは限らない。それは至極当然のことだ。


 では、『叶えてはならない恋』とはなんなのか。


 ――それは簡単だ。恋のことだ。


 『不純な動機』とは何かって?


 例えば、付き合っている恋人がいるのに別の人を好きになってしまうことだ。その上でその恋も成就させようというのは、道徳に反することであり、『叶えてはならない恋』といえる。


 あとは……いや、何より、というべきか。僕の抱く愚かな恋も、不純なものといえるだろう。


 だって、僕の好きな人は――。

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