くろとしろ、しろとくろ
いちこ
プロローグ
──もし、あの時。
あの背中を追いかけて、素直な気持ちを伝えられていたら。
いつか気持ちを伝えられる日が来るだろうとは思わず、あの時、しっかり自分の気持ちをぶつけられていたら。
俺の未来はどんな風に描かれていたのかな。
大好きな、あの笑顔を独り占めできたのかもしれない。
そして、後悔しない生き方ができたのかもしれない。
そう思ってしまう俺は愚かだ。
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