第17話 イチャつき疑惑

「首なしライダーね……顔がないのに、キミの行動をどうやって見て、どうやって聞いたんだい?」


「……」


 それは答えられないようだ。


 というか、霊子はあれが擬態だって知ってるんだから、意地悪で言ってるわけだ。


 これも意外だった。そういうことをするタイプには見えなかったから。


 なんだろう、機嫌が悪いのか?


「……こう、気合で」


 委員長の返しも雑!


「しかし、だとすると、いまキミは悪霊を退散させていたのかい?」


「確かに叫んでたもんな」


「いえ、階段のほうに気配があったので」


「俺らに反応してんじゃねーか!! 人間だったらどうするつもりだったんだよ!! いや、どうにもなってねーな!!」


「てへぺろ、というやつですね」


「久しぶりに聞いたなそれ!!」


「そんなに叫んで疲れないのかいキミは?」


「お前らのせいだろうがっ!!!」


 疲れるなんてもんじゃない。


 もう肩で息をしてるし、顔に血液が集まってほてってるのがわかるくらいだよ。


「とにかく、幽霊の正体見たり枯れ尾花と言うが、最近の幽霊騒ぎの正体は、全裸委員長だったわけだね」


「はい?」


 布団委員長はきょとんとしている。


「知らなかったのか? 最近、白い女の幽霊が心霊スポットでたびたび目撃されてるんだよ。要は、色白な委員長の裸を、幽霊だと思ったってことだ」


「なんと。そんなに見られていたのですね」


 表情をあまり変えないまま口をOの字に開いている……。


「その割にはあまりショックそうじゃないな……」


「別に見られて減るようなものでもありませんから」


「おいっ! だからって見ようとするんじゃないぞ!!」


「見ようとはしてねーよ!!」


 興味が無いとは言わないが!!


「だいたい、なんでお前がキレてんだよ!!」


「馬鹿者ぉ!! 助手がおかしな道にはまるのを防ごうとする親切心じゃないか! 学問とは誘惑に打ち勝ってこそなんだよ!」


「何です? お二人でイチャついています?」


「イチャついてない!!」

「イチャついてはいない!!」

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