第13話 旅行の終わり

しばらく待っていると、彼女が頼んだであろう美味しそうなスイーツが運ばれてきた。


「凄いね‼美味しそう‼」


彼女は目をキラキラと輝かせながらそう言った。確かに見ただけでも美味しそうだと感じることができる。

そして彼女はスプーンを手にとり、ゆっくりと口に運んだ。


「うん‼美味しいよこれ‼」


そう言うと、彼女は俺にスイーツが乗った皿を手渡してきた。


「和真君も食べてみて?美味しいよ‼」


俺は彼女にそう言われ、一口食べた。

口の中に甘さが広がり、幸せな気分になった。正直、東京には来たくなかったがこれはこれでいい思い出になるかもしれない。


「確かに美味しいね。」

「でしょ?和真君のも一口貰ってもいい?」

「もちろんいいよ。俺のも結構美味しいから食べて。」


俺はそう言って、彼女に頼んだケーキが乗った皿ごと手渡した。彼女はフォークを使って自分の口に運んだ。その瞬間、彼女の顔は笑顔に包まれた。


「ほんとだ‼美味しいね‼」


そんなことを言った後、彼女は頼んでからまだ手を付けてないスイーツをスプーンですくった。


「…あーんしてあげる。」

「えっ…」

「嫌?」

「そういうことじゃないんだけど…」


「ほら早く食べてよ。あーん‼」

彼女は顔を赤くしながらも、俺のことをじっと見つめている。どうやら引くつもりはないようだ。


(まぁいっか。スイーツを食べるだけだしな。)


俺はそう思いながら彼女の差し出したスイーツを食べた。口の中に甘さが広がっていく。

そして同時に恥ずかしさがこみ上げてくる。


「美味しいでしょ?」

「うん、美味しいね…」


(なんというか…凄い恥ずかしいなこれ。カップルってこんな感じなのか!?)


そんなことを考えていると、彼女が俺に向かって口を開けた。それが何を意味するのかはすぐに分かった。


「わかったよ。…あーん。」


俺は一体何をしているのだろう…なんというか自分の目標を見失ってないか?

俺は眼の前の女にちゃんと後悔させなくちゃいけないんだぞ?


しかし、俺はその気持ちを隠し、彼女の口にスプーンを差し出した。


「美味しいね‼もっと頼もうよ‼」

「いや流石に…大丈夫なの?ここだけでお金を使う必要はないんじゃない?」

「あっ…確かにそうだよね‼他にも行きたい所あるし、ここだけじゃないもんね‼」

「そうそう。他にも行く場所は考えてあるし、ここだけで使う必要はないよ。」

「じゃあ次行こっか!!」


彼女はそう言いながら立ち上がった。俺もそれに続いて立ち上がり、会計を済まして店を後にした。そして俺たちは次の目的地へと向かった。


俺と彼女は並んで歩いていた。そして彼女は俺の手を握りながら歩いていた。

(……カップルってこんな感じなのか?)

俺はそんなことを考えていた。彼女がスマホを見ているので俺は彼女に話しかけることにした。


「ねぇ、次はどこに行くの?」

「えっとね…次はここに行くつもり‼」

彼女はそう言いながらスマホを見せてきた。そこには『水族館』と書かれていた。どうやら次の目的地は水族館のようだ。

(まぁいいか…あんまり気乗りしないけど。水族館なんて何年ぶりだろ…)


そんなことを考えながら歩いていると以外にもすぐについた。

今年新しくできたばかりの場所らしく、お客さんも多そうだった。


「結構人いるね……離れないように気をつけなきゃね。」


彼女はそう言いながら、再び俺の手を握ってきた。俺たちは水族館の中に入った。


(…やっぱ恥ずかしいな。)


俺はそんなことを思いながら、彼女と手をつないで水族館の中を回った。


「見て!!このお魚可愛いよ!!」


彼女は水槽にへばりつきそうな位近づいてそう言った。

俺はその水槽にいる魚を目視した。…意外にもかわいかった。


「ほんとだ。この魚可愛いね。」


意外な発見に内心驚いた。

そしてこの状況を少し楽しんでいる自分がいることにとても驚いていた。


俺は水槽にへばりつく位近くによっている彼女に話しかけた。


「少し近いよ。少し離れたほうが良いんじゃない?」

「わわっ…確かにそうだね‼」


俺と彼女はその後も数十分かけて水族館を周り、今日のデートが終わった。

俺と彼女は駅で電車を待っていた。


「今日はありがとうね!!凄く楽しかった!!」


彼女は俺に満面の笑みを浮かべながらそう言った。今まででは考えられないくらいの笑みだ。これも天使と呼ばれる所以なのだろうか?


「こちらこそありがとう。俺も楽しかったよ。」


俺はそう言いながら、彼女に向かって笑みを浮かべた。そしてそれと同時に電車が駅に入ってきた。そして俺と彼女は電車に乗り込んで座席に座った。


彼女は沢山のお土産を買っていた。俺は思わず彼女に尋ねた。


「そんなに買って…ちゃんと持って帰れる?」

「そんな訳ないよ‼友達と妹と分け合うの‼」


彼女は元気よくそう答えた。どうやらお土産は友人と妹と分けるつもりらしい。

俺はそんなことを考えながら電車に揺られていた。そして数十分後、俺たちの最寄り駅へとたどり着いた。俺は彼女の家まで送ることにした。


彼女の家につき、俺はお別れの挨拶をした。


「それじゃあまた明日。学校で会おう。」

「うん‼それじゃあね‼」


俺と彼女は別れ、明日の学校で会うことになった。





作者の聖羅です!!

13話目をお読みくださりありがとうございます!!

次の投稿は今日の12:15になります‼

是非見に来てくださいね‼


深夜に投稿するのは理由があり、ちょっとした調査を兼ねていますのでご容赦ください。


これで旅行は終わりです‼

明日から学校に戻りますよ‼


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