転換点
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!?」
「何だよ、何だよっ!?こいつは、勝てるわけ……勝てるわけがないっ!」
「あぁぁぁぁあ!?」
「ならば逃げろ!存分に逃げろ!僕は構わぬっ!」
「逃げるなぁ!愚か者どもぉ!逃げるなど許さぬ!前へ、前へ、前へぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええ!後ろから殺されたくなければ戦うのだぁ!」
「はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!」
「なぁぁにが、笑うことをぉ!あれを殺せ!かこめ!せめて動かすなぁ!」
「ならば、お前から殺してやるよぉ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!?」
転換点。
相手がこちらの軍勢を徐々に押し、戦線を伸び切らせたタイミングになって、ようやく僕を初めとする戦略級の駒たちを動かしていた。
「よっと」
後ろから味方を打つと脅し、味方を前線に立たせていた連中を僕が壊滅させた頃にはもう前線で戦っていた雑兵たちは散り散りになって逃亡していた。
「……」
戦場に立つのは初めてだが。
そこまで僕の想定とは変わらないな。
「……向こうがどうなっているか、だけど」
今頃、ノービアたんのほうが世界中にいる自身のシンパたちへと決起を呼びかけている頃合いであろう。
それがどうなるか、どう転がっていくかによっては選曲が大きく変わるので僕の戦略眼がどんなものかはその時にならなきゃわからないが。
「お前かっ!」
そんなことを自分が考えていた中、鎧をまとった一人の男が自分の前に立ちふさがってくる。
「我らが神々の名にひれ伏さぬ愚かなる異国の人間というのは!」
「……戦略級」
目の前にいる男から感じられる力的に、相手の能力としては戦略級に乗るほどの実力者であろう。間違いない。
「俺が───えっ?」
「おせぇよ」
同じ戦略級ではある。
だが、それでも圧倒的な力の差がある。
僕は騎士の男の背後を一瞬でとり、そのまま首を引きちぎってやるのだった。
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