計画

ちゅ

ルーティン

掛け布団は勢いよく飛ばす。


階段を降りるスピードは家族のなかで一番早い。速くもある。


いつもだいたいトーストを焼く。


バターが定番。ジャムは好まない。朝からあんな甘ったるいのママは好きだけど。


「おはようおとうさん」会社に行くから僕の次に起きてくる。


なんとなくだけど多分僕より早く起きてる。


仕事の準備をしてるんだ。けど起きてくるのは僕が先。


トースト食べながら,ニュースを見る。パパもニュースを観ている。


ママが起きてくるから,歯を磨く。


歯磨き粉が甘いから渋々やっている。


朝からあんなに手を動かさなきゃいけないのは本当に嫌なんだけど,学校のみんなはやってるから当然僕もやるんだけどね。


ママのいってらっしゃいは毎日聞いてる。


学校へは歩いて通える。いつも同じ風景,同じ家,キャーキャーうるさい小学校。


僕はその小学校の卒業生ということになるのだけれども,僕がいた時はクラスの人含めこんなにうるさくはなかった。


正門をくぐる。先生への挨拶は欠かさない挨拶だけで結構褒められる。


二年一組が僕のクラス。二組よりも三組よりも昇降口から近いから僕はいいんだけど,二組と三組の人は少しストレス感じちゃうんじゃ

ないかな。


授業はだいたい余裕。


社会の先生は嫌い。理科の先生は面白い。担任の先生はいい人。


給食は美味しい。ママの料理にヒケヲトラナイ美味しさ。


友達という友達はいない。満遍なく話せるし,給食で席をくっつけるときも全然話す。勉強のこと聞かれたり,


家のこと聞かれたりする。東京のことも聞かれる。


十歳の時に引っ越してきたんだ。道徳の時間に話す機会があって話したら広まった。


トイレに行く時に誘える人はいない。まあ前提としてトイレに誰か連れて行く意味がわからない。



明日教室にクーラーつける工事が入るらしい。帰りの会で言ってた。


まあ明日は土曜日だからいいし,日が当たらない窓側の席だから,そこまで苦痛じゃなかったけど,みんな喜んでたし暑いんだろうな。


ちなみにクーラーの噂は一ヶ月前くらいから広まってた。


噂って事実よりも深く広まるよね,最近感じたんだ。特に感じたのはオカルト。あれすごい。


あんな嘘っぱちが僕たちの心をヤクドウさせるしおもしろい。なんてったってこの学校に,幽霊が出るって噂だ。あまりにも大雑把すぎるけど。


十分だよね。噂の出所は誰も知らない。僕たちの代から広まった話っぽいけど,誰が話し始めたかよくわかってない。


あまりにガセっぽい。


だってさ学校の雰囲気を良くする幽霊だとか背中を押してくれる幽霊だとか人の弱みにつけ込み、食べてしまうだとか、話があっち


こっち行きすぎなんだよ。ちっとも怖くない。


最終的にはその幽霊はプールで女子のお尻を触るだの,女子のパンツを盗んじゃうだのっていう話で終わった。


なあんだよそれ。いかにも中学生。実際、実行歴がないんだぞ?


絶対学校の誰かがその犯行を実行するためにマイタタネだよなー。


まあでももし本当にその事件が発生したら褒めてやりたい(実際には言わないつもり)


そういや、数学の教師が女子生徒と付き合ってるって噂去年の冬にあった。


噂から事実になるのは一週間もかからなかった。


こういう現実味を帯びた噂って大体が嘘ではないんだよなー。


うウェ~キモチワル。


どうして年頃の女の子は年上の男ばっかり好きになるんだろうか。


正直、数学の教師はさわやかだが、イケメンではない。


やさしい先生ではある。


僕の目から診ても結構好印象な先生。女子生徒と付き合ってる以外は。


ヒェー。噂のままでよかったのに。


まだその先生には処罰は下されてない。


先生たちにはこの噂というか事実はまだ知られていないんだ。


いい先生だから、チクる生徒もいない。困ってる人も今はいない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る