シークレットシスターーDance with the Devilー
名古屋ゆりあ
プロローグー悩める旦那様の独り言ー
髙嶋風花(タカシマフウカ)は僕の妻だ。
腰近くまである黒髪のストレートのロングヘアーに白玉のように美しい肌、一重の切れ長の目に小さな鼻、小さな紅い唇は、まるで日本人形のようだ。
年齢は32歳と僕の3つ上なのだが、見た目が若いーーと言うよりも、幼く見えると言った方が正しいだろうーーので、初対面で年齢を言うと驚かれる人の方が多い。
そんな彼女の夫である僕はとても誇らしいのだが、不満なことがある。
「なーるーみー♪」
「風花、近いから」
彼女の実の弟・永井成海(ナガイナルミ)の存在である。
僕と成海は中学時代からの同級生で、体育の授業で2人1組のペアになったことがきっかけで仲良くなった。
それから10年以上も仲良くしているし、彼女と結婚してからは義理の兄弟と言う関係になった。
ちなみに僕は9月生まれ、成海は2月生まれなので実質的には僕の方が年上だ。
「成海は今日も美人だねー」
「はいはい」
実の姉に後ろからもたれかかるように抱きしめられて褒められている成海ではあるが、嫌そうな感じがしないのは褒められて悪い気はしていないからだろう。
確かに、成海は男の俺から見ても美人だと思う。
姉が美人だから弟も美人なのはある意味、当然のことだろうな…。
成海と一緒のクラスになって初めて彼を見た時は女性と見間違えてしまったほどだ。
今は肉体労働の仕事をしていることと休みの日はジムに通って躰を鍛えていることもあって躰つきはよくなったが、彼と出会った当時は華奢な体型で腕なんか細過ぎてちゃんと食べているのかと疑ってしまったくらいだ。
姉弟仲がいいのはとてもいいことだし、成海が義兄になった僕と変わらずに仲良くしてくれるのはいいことである。
だけど、
「風花さんの中では、成海が第一なんだよな…」
ブラコンなのが不満なのである。
別に彼女に大切にされていないと言う訳ではないし、彼女とは愛し愛されている関係だと思う。
それでも…わがままなのは重々承知なのだが、彼女の1番になりたいと思っている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます