第10話【再構築2:営業時間を延ばして密を避けた→利用者増、収益大幅UP】

ピンチの時、それはコロナ全盛期だった。テレワークが始まった。それにより、通所してくる利用者さんは減ったものの、在宅で作業する利用者さんが増え、特に大幅に減ったということもなかった。


なので、いわゆるコロナ給付金は、受け取れないと思っていた。いや、思い込んでいた。だけど、再構築0で雇った税理士さんは、優秀だった。顧問料の範囲内で、うちの会計状況をきちんと見て、煩雑な申請手続きを全部顧問料の範囲内で、やってくれて、ピンチを乗り切る資金が確保できた。


そしてもう一つピンチはチャンス。コロナは、チャンスに変わった。

単純に、密を避けるため、営業時間を延ばした。一般的な事業所は、10時開始、15時業務終了だ。だけど、9時から18時の間のフレックス制にした。それにより、スタッフの勤務時間が増えたわけでもない。スタッフは、元から9時〜18時勤務だ。うちは、NO残業を徹底している。


結果どうなったかというと、時間が延びたことで、利用人数がグッと増えた。


単純に「昼間、用事があったけど、終わってからきました」なんて利用者さんもいたけど、実は、対人恐怖があって、人が多いところが苦手という利用者さんが、夕方、人の少ない時間を選んで利用が増えたり、「具合悪いけど、夕方ならなんとか来れるのできました。家にずっといるよりよかったです」と言って夕方通所してくる利用者さんもいて、単に売り上げUPだけじゃなく、利用者さんの体調の安定にも一役買った。


営業時間の延長は、スタッフにとって、一つも負担ではないのに、利用者さんの健康にとっても経営にとっても良い策なので、ぜひ他の事業所でも取り入れて欲しいと思う。しかし、飲食や集まって作業するようなところでは、スタッフの負担が増えてしまう。うちのような自学自習スタイルは、在宅勤務やフレックス制と相性がよかった。僕は、決して、僕が優秀だから成功したとは思っていない。単に運が良かったと思う。だけど、振り返ってみれば、一つ一つ丁寧に問題と向き合ってきたとは思う。

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