第2話 B型作業所ってどんなところ?(利用者さんとスタッフ)

B型作業所がどんなところかというと、一言でいうと、障がいのある方が、社会復帰するためのリハビリ施設である。


スタッフは、サービス管理者、つまりはリーダーとなる責任者が1人、それ以外にスタッフが4人というのが最小単位だ。


そして、この最小単位に対して、一日の定員は20人の利用者さんが利用できる。またまた、これも平均してだけれど、定員をオーバーしてはいけないという決まりがある。


とはいえ、ほとんどの事業所は、定員いっぱいにならない。

定員いっぱいになるかどうかが、経営者の腕の見せ所でもある。


5〜6人ぐらいのスタッフと、利用者さんで何をするかといえば、それはそこそこの事業所で変わってくる。一般的に、障がい者施設というと、パンやお菓子を作っていたり、手芸で何か作って売っているイメージかもしれない。


しかし、今一番増えているのは、うちの事業所のようなPCを並べ、なんらかのITスキルを身につけることを謳った作業所だ。


うちは、予備校の自習室のように、仕切りのある机と、それぞれにPCが置いてあるスタイルだ。壁際の本棚には、ワードやエクセル、HTML、フォトショップ、ワードプレスなど、IT系の本がずらっと並んでいる。他には、メンタル系や仕事術、お金に関する本もある。また、うちは資格取得に力を入れているので、FPや販売責任者のテキストなんかもある。


ITに限らず、利用者さんが、学びたいことを学ぶというスタイルでうちはやっている。希望者のみ、当事業所の業務であるECサイトの管理業務をしていただいている。


利用者さんといっても、病気や障がいの重さも、年齢、これまでの経歴もそれぞれである。だから、週2回きて、お昼ご飯を食べて帰るのがやっと、体調が良くなったら時間や回数を増やしていきたいという方から、週5回きて、資格取得の勉強や業務をがっつりやる方までさまざまだ。B型は掛け持ちもできるので、他のB型事業所とうちと両方に通う人もいる。


また、60代、70代の利用者さんもいる。こういう年代の方に対して、スタッフもご本人も、「作業所で訓練して再就職しよう」なんて思っていない。通所することで、体調を整え、新しいことを学んで、人生をより豊かなものにするために通っていただいている。


そして、大事なことなのだが、作業所は、工賃(お給料)が発生する。事業所によって違うのだが、1日800〜1000円のところが主流だ。そして、ほとんどの事業所が、お昼ご飯を提供している。その値段も事業所によって、無料〜300円程度のところまでまちまちだ。


何が言いたいかというと、B型作業所は、福祉施設なので、体調の悪い人は通った方がオトクだ。今まで税金を払った分、しっかりと福祉の恩恵を受けていただきたい。

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