第19話  ユイポーションの弊害

 バイバイシテイーから、我が家に戻る途中、私は久し振りに歩いて、ホーンラビットのお肉を補充しながら帰ります。


 道路から少し奥に入ったあたりで戦闘の気配がします。私は急いでそっちに向かいます。

 ゴブリンです。ゴブリンが15歳くらいの少年少女達のパーテイーと戦っていました。少女の1人が木の根に躓いて転んでしまいました。

「キャー嫌だ―、死にたくないよー!」

 私は弓矢でゴブリンを射止めます。

「間に合ったようね。起きれる?

 少女に手を差し伸べます。

「は、はい。助けて下さって有難う御座います」

「手助けしていい?」皆に声を掛けます。

「お願いします!」

 私は剣を抜いて、バッタバッタとゴブリンどもを切り倒します。

「「「凄えええええええーーーー」」」

 あっと言う間に10数匹いたゴブリンが死に絶えました。


「お姉さん有難う御座います。お陰で全滅せずに済みました」

 聞けばつい最近冒険者登録したばかりらしいです。

「だったらこんな奥じゃなく、町に近い所で薬草採取してた方が良いんじゃない?」

「そうなんですが……ユイポーションが出回ってから、薬草採取が常時依頼じゃなくなって、依頼が出ると奪い合いになっているんです。少しでも出遅れると仕事が無くなって、仕方なくゴブリン討伐依頼を受けたんです」

「ユイポーションって?!」

「これです」

 ガーン、それは私が上級ポーションを作って売って、商業ギルドで私が作った聖水で希釈して初級ポーションにしたものでは無いですか!

(何と、良かれと思ってした事が、他の人達を不幸にしていたなんて、これは、何とかしないといけないですね)

「それじゃあ皆、気をつけて帰ってね」

「あ、お姉さんゴブリンの討伐証明部分の右耳持って行かなくちゃ」

「私はいいわ。皆が持って行って」

「ええー、いいの、本当に?」

「いいわよ。それじゃあね」

 私は逃げるようにその場を離れました。


 道々考えました。先ずは薬師さん達の仕事を復活させて薬草採取が常時依頼になるように戻さなくちゃいけないわね。

 薬草がメインでそれに何かを添加する事で売れるポーションを作れるようにしましょう。

 頭に浮かんだのが王宮でのヘルツさんや宰相様のように高齢化したことによって引き起こされる不具合のお薬です。

 次に風邪薬とか、痛み止め、二日酔いの薬、胃腸薬等の家庭常備薬でした。できるだけ安価で、数で利益を確保するような物。

 腕の良い薬師さんには少し手がかかるけれど高価で売れるものを作って頂きましょう。

 私はプランを纏めて添加する果実やら植物を【植物創造】で作りました。

 それとアカヒ医院のアカヒ先生にどんな薬が必要とされているのかをお聞きしに行きましょう。


 3日後私はバイバイシテイーに転移しました。


 アカヒ医院では受付で先生にお会いしたいということを告げて待合室でお待ちしておりました。

お昼休みの時間になってやっと面会出来ました。


 この世界では皮膚病が流行っているそうです。それは絶対お薬を作って、普及させなければいけませんね。

 後、便秘に悩んでいる女性が多いそうです。これは私も経験があります。辛いんですよね。あれ。

 なので、穏やかに効いていくお薬、いいえポーションを作りましょう。

 説明書に食物繊維の多い食べ物を摂取するように注意書きを添えて置きましょう。

 皮膚病ポーションを完成させてバイバイシテイーに行くことにしました。

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